貸倒れの見積もり
そこで、期末時点での、会社が保有している売掛金残高が1000万円あるとします。
この1000万円、翌期に、全額回収できる保証がないことは、もうわかりました。
そこで、期末の決算手続で、いまある売掛金・受取手形のうち、
翌期にいくら貸し倒れるかを見積もって、簿記に記録し、
売掛金・受取手形の評価額を、少し切り下げる処理を行います。
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lesson.057
★ 5分で完結!小学生でもわかる簿記入門 ★
(読者数3411人) 2004.10.04
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【CONTENTS】
○ 貸倒れの見積もり
(※図が見にくい方は、等幅フォントまたはMSゴシックでご覧下さい)
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○ 貸倒の見積もり
☆ 前回の、かんたんな復習 ☆
「会社は、受取手形や売掛金のかたちで、金銭債権(要は、お金をもらう権利)を、
持っていますよね。
そして、その金銭債権は、たくさんの得意先に対して持っていて、金額も、
ン千万円や、ン億円だったりします。
で、それらの売掛金などが、常に全額、とどこおりなく回収できれば、誰も困りは
しないのですが、そうは世の中、うまくいきません。
不良債権というものが、どんな会社にとっても、悩みの種です。
ちなみに、「廃業率」と言う指標があって、一年前に100社あった会社のうち、
だいたい、平均して3社から4社が、一年後には廃業している、という統計が
でているのですね。
とするならば、その廃業した会社に引っかかると、とうぜん、売掛金や受取手形は、
回収できなくなってしまいます。
このような、回収不能の状態を、「貸倒れ」などといったりします。
☆ 前回の内容 ここまで ☆
そこで、期末時点での、会社が保有している売掛金残高が1000万円あるとします。
この1000万円、翌期に、全額回収できる保証がないことは、もうわかりましたね!
そこで、期末の決算手続で、いまある売掛金・受取手形のうち、翌期にいくら
貸し倒れるかを見積もって、簿記に記録し、売掛金・受取手形の評価額を、少し切り下
げる処理を行います。
このための処理項目を、「貸倒引当金」といいます。
(例:期末に、売掛金が1000万円あったとして、翌期の貸倒れ率が、
1%と見積もられた場合の、決算処理)
(借)貸倒引当金繰入額 10 (貸)貸 倒 引 当 金 10
この結果、売掛金勘定と貸倒引当金勘定の関係は、次のようになります。
+ 売 掛 金
―――――――――――――――
|残高 1000|
・←←| |
↓ | |
↓ |
枝 ↓
勘 ↓
定 ↓ /+ 貸倒引当金
↓ | ――――――――――――――― |(売掛金の分身)
・→ | |決算 10 |
| | |
|
/
+ 貸倒引当金繰入額
―――――――――――――――
決算 10|
上記の決算(処理)の結果、売掛金の期末における最終評価額は、
1000 10(売掛金の1%の貸倒予想額)=990万円
と、なったわけです。
このように、金銭債権の額を、その額面すべてという評価はせずに、
統計等にもとづいて、少し、評価を下げるのが、会計の常識です。
時事用語では、「不良債権処理」なんていってますね。
この、貸倒引当金(貸倒予想額)の設定が、そうだったんです!!
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◆ 練習問題
次の取引を、仕訳・転記しましょう。
B社は、受取手形を200万円、売掛金を500万円、期末時点で保有していた。
期末の決算に際して、受取手形と売掛金の合計額に対し、2%の貸倒引当金を
設定することとした。
【解答用紙】単位:万円
<仕訳帳>
――――――――――――――――――――――――――――――
(借) (貸)
――――――――――――――――――――――――――――――
<総勘定元帳の一部>
――――――――――――――――――――――――――――――――
+ 受取手形
―――――――――――――――
200|
|
+ 売 掛 金
―――――――――――――――
500|
|
+ 貸倒引当金
―――――――――――――――
|
|
+ 貸倒引当金繰入額
―――――――――――――――
|
|
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【模範解答】単位:万円
<仕訳帳>
――――――――――――――――――――――――――――――
(借)貸倒引当金繰入額 14(貸)貸 倒 引 当 金 14
――――――――――――――――――――――――――――――
<総勘定元帳の一部>
――――――――――――――――――――――――――――――――
+ 受取手形
―――――――――――――――
200|
|
+ 売 掛 金
―――――――――――――――
500|
|
+ 貸倒引当金
―――――――――――――――
|決算 14
|
+ 貸倒引当金繰入額
―――――――――――――――
決算 14|
|
―――――――――――――――――――――――――――――――――
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