貸倒れの処理(最も簡単なパターン)
会社は、受取手形や売掛金のかたちで、金銭債権(要は、お金をもらう権利)を、
持っています。
しかし常にそういった債権が回収できるとは限りません。
このような回収不能の状態を、「貸倒れ」などといったりします。
したがってここで、貸し倒れを処理する基本形として、売掛金を現金で回収した場合の仕訳を考えてます。
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lesson.056
★ 5分で完結!小学生でもわかる簿記入門 ★
(読者数3299人) 2004.10.01
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【CONTENTS】
○ 貸倒れの処理(最も簡単なパターン)
(※図が見にくい方は、等幅フォントまたはMSゴシックでご覧下さい)
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○ 貸倒の処理(最も簡単なパターン)
会社は、受取手形や売掛金のかたちで、金銭債権(要は、お金をもらう権利)を、
持っていますよね。
そして、その金銭債権は、たくさんの得意先に対して持っていて、金額も、
ン千万円や、ン億円だったりします。
で、それらの売掛金などが、常に全額、とどこおりなく回収できれば、誰も困りは
しないのですが、そうは世の中、うまくいきません。
不良債権というものが、どんな会社にとっても、悩みの種です。
ちなみに、「廃業率」と言う指標があって、一年前に100社あった会社のうち、
だいたい、平均して3社から4社が、一年後には廃業している、という統計が
でているのですね。
とするならば、その廃業した会社に引っかかると、とうぜん、売掛金や受取手形は、
回収できなくなってしまいます。
このような、回収不能の状態を、「貸倒れ」などといったりします。
ここで、基本形として、売掛金を現金で回収した場合の仕訳を考えてみましょう。
(基本形:売掛金を現金で回収した場合の仕訳)
(借)現 金 ××× (貸)売 掛 金 ×××
このように、現金と金銭債権の交換取引(資産と資産の入れ替え)となります。
次に、貸倒れが発生した場合を考えてみましょう!
(得意先が経営破たんし、売掛金が貸し倒れた場合)
(借)貸 倒 損 失 ××× (貸)売 掛 金 ×××
借方「貸倒損失」勘定は、財産を失ったことによる「費用」の科目です。
以上、今回は、金銭債権が回収不能になった場合の基本形を学習しました。
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◆ 練習問題
次の取引を、仕訳・転記しましょう。
(1)A社に対し、商品100万円を掛けで売り上げた。
(2)1ヵ月後に、上記の掛け代金のうち、40万円分だけ、現金で回収した。
(3)さらに1ヵ月後、A社が倒産し、残りの売掛金は、回収不能となった。
【解答用紙】単位:万円
<仕訳帳>
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(1)(借) (貸)
(2)(借) (貸)
(3)(借) (貸)
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<総勘定元帳の一部>
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+ 現 金
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+ 売 掛 金
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+ 貸倒損失 売 上 +
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| |
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【模範解答】単位:万円
<仕訳帳>
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(1)(借)売 掛 金 100(貸)売 上 100
(2)(借)現 金 40(貸)売 掛 金 40
(3)(借)貸 倒 損 失 60(貸)売 掛 金 60
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<総勘定元帳の一部>
――――――――――――――――――――――――――――――――
+ 現 金
―――――――――――――――
(2) 40|
|
+ 売 掛 金
―――――――――――――――
(1) 100|(2) 40
|(3) 60
+ 貸倒損失 売 上 +
――――――――――――――― ―――――――――――――――
(3) 60| |(1) 100
| |
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手形貸付金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる貸付債権。 資産に分類される。 手形を使わない場合は、「貸付金」 手形借入金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる借入債務。 負債に分類される。 手形を使わない場合は、「借入金」 仕訳例 資金を貸し付ける場合:「手形貸付金」 資金を借り入れる場合:「手形借入金」 具体例 200万円を借り入れ、約束手形を発行し当座預金に入金された場合: 借方:当座預金 + 2,000,000円 貸方:手形借入金 + 2,000,000円 総勘定元帳への転記 資産:「当座預金 + 2,000,000円」 負債:「手形借入金 + 2,000,000円」仮払金(3級・2級商業簿記)
仮払金の重要性 実務および試験対策において重要な科目。 簿記3級以上で出題され、2級、1級、会計士、税理士の試験にも登場する。 仮払金の分類 資産勘定に分類される。 実際の支出金額や内容が未確定な場合に使用する。 仮払金の定義 支出金額や内容が確定していない場合に一時的に支払う際に使用する勘定科目。 支出内容が確定した時点で精算処理を行い、仮払金は解消される。 短期間で精算されることが前提。 関連する勘定科目 現金や仮受金(負債)などが関連する。 実務での使用例 例: 出張費が確定しない場合、社員に2,000円を仮払金として渡し、実際の費用が確定した後に精算する。 例: 交通費が1,700円だった場合、差額の300円を返金して仮払金を精算。