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トヨタのEBITは売上高の10%弱と高い水準

2013年は、アベノミクスという言葉が世間を駆け巡りました。
大胆な経済政策の影響から、円安と株高が顕著となった一年です。
円安になれば、輸出企業の業績が良くなります。
その代表格がトヨタですね。
トヨタの業績が非常に好調です。
トヨタは、リーマンショック前の好調さがウソのように、世界的な金融ショックの余波から、2009年3月期の決算で4610億円もの赤字を記録しました。
そこから、わずか5年で、大幅な社内改善を行い、2014年3月期の業績予測では、営業利益2兆2千億円、税引前当期純利益2兆2900億円、当期純利益にしても1兆6700億円もの巨額の利益が見込まれています。
ここまでの急回復の背景には、トヨタの底力とも言える組織力、反発力があると考えることもできるでしょう。
以前ならば、利益を出すのに必要な販売台数が800万台であったところ、工場の生産性を大胆に改善した効果などが表れ、750万台の販売水準でも利益が出るようにコスト体質を向上させたとのことです。
ここで、日経新聞では、トヨタの2013年の売上高利益率9.6%という数字を紹介するにあたって、その算式のなかにEBITという、一般にはあまりなじみのない利益概念を使用していました。
EBITとは、(Earnings Before Interest,Taxes)の略です。
直訳すると、「支払利息控除前・税金控除前の利益」ということになります。
この計算過程には、いろいろな解釈があって、たとえば「税引前の当期純利益プラス支払利息マイナス受取利息」みたいに説明されるケースが多いですね。
あるいは、営業利益をもって、EBITと説明する場合もあります。
いろいろな意味に解釈できるEBITですが、おおむね、営業利益または税引き前利益プラス支払利息あたりの数値がそうなのね、というイメージでいいでしょう。
ためしに、トヨタの第2四半期の決算発表数値から、平成26年3月期の業績予想にもとづき売上高営業利益率を出してみると、
営業利益2兆2000億円÷売上高25兆円=8.8%
と、でました。
新聞の9.6%(2013年の暦年見通しとのこと)よりはやや低めですね。
では、参考までに、税引前当期純利益の予想額2兆2900億円に、2013年3月期の実績ですが、そこでの支払利息の額229億円を足した額、すなわち2兆3129億円を仮にEBITとみなして計算してみると、
2兆3129億円÷25兆円=9.2516%となりますね。
まだ、2013年暦年ベースの日経の発表記事よりも低めですが、あくまで目安なので、まあまあ、イメージがつかめたかな、という感じでよろしいでしょう。
いずれにせよ、営業利益と売上高の比率で見てもほぼ9%の水準ですから、5年前と比較してもかなりの業績回復ぶりですね。
2014年は、4月から消費増税がスタートします。
国内の需要、すなわち内需は縮小するのではないかと思いますが、海外展開にかなりウェイトを置いている今のトヨタの業績に、どれほどのインパクトを与えるのか、今から興味しんしんといったところでしょうか。

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