株主へは配当で報いるか?高株価で報いるか?
スマートフォンゲームのコロプラが、業績好調で株価も年初から 10 倍程度に上げているというすさまじい状況になっています。
ちねみに、今年一番の安値が 2 月 14 日の 288 円でした。
それが、12 月 5 日時点でなんと 3,020 円という 10 倍株です。
これは、当初から株式を保有している投資家はウハウハでしょうね。
業績好調の注目企業として、コロプラの馬場功淳(ばばなるあつ)社長のインタビュー記事が 12 月 5 日 15 面の日経に出ていました。
彼の考え方を一部ご紹介しながら、「株主にとっての投資リターンの獲得方法」について、考えてみたいと思います。
馬場社長によると、
「スマホゲームは新規顧客の開拓と既存顧客の継続率をコントロールする必要があるが、社内に蓄積したビッグデータの解析技術が生きている。
どのタイミングで販促やイベントを打てば、どんな属性の顧客がどのくらい流入してくるか。どんなイベントを開くと、どう継続率が伸び、課金額が上がるか。といったことが把握可能になった。」のだそうです。
いま注目を浴びている「ビッグデータ」を取りいれたビジネス戦略の構築ですね。
また、ヒットゲームを作り続けるには、クリエーティブな人材が不可欠ですが、そういった人材は「開発者が 1000 人いて 1 人いるかどうか」というのが現状だそうです。
そのあたりは、社内の講習組織を儲け、短期間で効率的に技術を学べる仕組みを作るなどの工夫をしているとのことですね。
継続してクオリティーの高いサービスを提供し続けなければならない。
そのあたりにこの会社のキモを見た気がします。
なお、株価が 1 年前の公開価格比で約 14 倍、時価総額は 3300 億円超にまで膨らんでいます。
このような現状を踏まえ、馬場社長は当面、株価上昇の投資メリットが非常に高いため、配当という形での利益還元はなくてもいいと考えています。
ここで、一般的な投資リターンの獲得方法を整理しておきますと、
(1)キャピタル・ゲイン…投資資産の値上がり益
(2)インカム・ゲイン…配当や利息などによる収入
この2つが代表的です。
おおむね、投資リターン効率は、この2つの利益の合計と投資元本を比較して測定されます。
※投資効率=(キャピタル・ゲイン+インカム・ゲイン)÷投資額
株式投資ならば、キャピタル・ゲインは株価上昇、インカム・ゲインは配当収入です。
なお、不動産投資ならば、キャピタル・ゲインは不動産価格の上昇分、インカム・ゲインは賃貸収入というふうに読み変えておけばよろしいでしょう。
コロプラのケースでは、キャピタル・ゲインが相当なレベルにあるため、インカム・ゲインはそれとのバランスで株主からそれほど厳しく要求されていないのだろうな、と想像できます。
これは投資先の会社が置かれている状況によってさまざまですので、もしあなたが株式などの投資をしていて、そのリターンを考えるときに、キャピタル・ゲインはどれくらいで、インカム・ゲインはどれくらいかをこの機会に比較・検討してみてはいかがでしょうか。
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