経営計画はなぜ必要なのか?
※こちらの動画でも解説しています。
今回は「経営計画はなぜ必要なのか?」について解説します。
今回のテーマである経営計画の必要性は、経営者の方だけでなく、ぜひ会社にお勤めの方や、これから就職される方にも知っていただきたいと考えます。
勤め先の会社が、戦略的な設計図をもつ会社であること、さらにその社長が社員に対して、設計図を示してくれる会社であることの方が、働く側からすると安心なのです。
そういった目線で、今回の解説をご自身の会社の判断基準としてください。
経営計画が必要となる理由は、次の4つです。
1.マーケットの現状を徹底的に理解できる
2.経営に対する社長の覚悟を決める
3.社員に安心感を抱かせる
4.来年度の実績と計画の比較(点検・改善の基準となる)
1.マーケットの現状を徹底的に理解できる
経営計画を立てるには、まずは会社の現状を分析しなければなりません。
そこで誤ってはいけないのは、会社の外部の市場に目を向けるということです。
会社には、その内部と外部に市場がありますが、私たちは内部の組織ばかりを改革しやすい傾向があります。
経営計画を立てるときに内部のことばかり考えたり、内部のマネジメント中心の計画を立てることはよくありません。
本当に大事なのは会社の外にある市場=「お客様」で、お客様の要望に応えることです。
会社が儲からなくなる理由はただ1つ、お客様の要望と会社の経営にズレが生じることにあります。
お客様の要望に添ったサービスを提供していないから、会社は儲からなくなるのです。
したがって経営計画を立てることは、外部の市場を徹底的に分析し、お客様の要望をしっかりと徹底的にリサーチするいい機会になります。
お客様の要望を徹底的にリサーチすることによって会社の現状がわかり、結果的に会社の現状を徹底的にリサーチできること、言い換えるとマーケティング志向の現状分析を徹底的にするということが、経営計画が必要となる理由の1つ目です。
2.経営に対する社長の覚悟を決める
会社の現状を知ることで多くの社長さんはショックを受けるのではないでしょうか。
自分では当たり前だと思っていたことが、お客様にとっては不満だったことがわかるためです。
そして社員についても、社長は社員がお客様に対して社長の思ったとおりに動いてくれていると勘違いしています。
しかし社員に社長の思いなどわかりませんから、社長の思いとは違う行動をしてしまいます。
社長が思い描いている活動と、実際に会社がやっていることがぜんぜん違うということが、計画を立てる過程でわかります。
そこで社員を怒ってはいけません。
行動指針をきちんと示していない社長自身が悪いのです。
そこで、経営計画を立てるということで、社長が自ら市場に行って外部情報を手に入れます。
そうすることによって、「大きいギャップを埋めるぞ」という覚悟が決まります。
つまり、経営計画が必要となる理由の2つ目は、「経営に対する社長の覚悟を決める」ことです。
3.社員に安心感を抱かせる
3つ目は、会社の将来像を示して社員を安心させることです。
経営計画を立てることにより、たとえば3年後に会社の売上は30パーセントアップしているとか、利益がこれだけアップして、みなさんに給料をこれだけ払うといったような計画を表明し、会社が成長する姿を見せることによって、社員は将来に対して安心することができます。
反対に経営計画がないということは、会社の将来像がわからないので、従業員は将来に対して不満や不安を抱いたまま働くことになります。
これは双方にとって良くないことです。
4.来年度の点検・改善の基準となる
経営計画というのは行動指針ですが、あるべき行動指針という基準をもっていれば、来年以降の日々の活動について(月次決算)、実績と計画を比較して点検ができます。
つまり、経営改革を立てることは来年の点検・改善の基準として使えるということです。
まとめ経営計画を立てる理由は
1.マーケットの現状を徹底的に理解できる
2.経営に対する社長の覚悟を決める
3.社員に安心感を抱かせる
4.来年度の実績と計画の比較(点検・改善の基準となる)
の4つです。
この4つのメリットがあるから、経営計画を立てることというのは、会社にとっていいことだらけになります。
社長さんは経営計画をしっかりと立てましょう。
無料メール講座
法人税申告書作成の実務
社長BOKIゲーム企業研修
無料メールマガジン
プロフィール
著書一覧
新着記事
- 公式法変動予算(2級工業簿記)
公式法変動予算の定義 製造間接費を管理する方法 操業度(生産量や稼働時間)の増減に応じて予算額が変動 関連用語 固定予算、製造間接費の管理、予定配賦、配賦差異など 予算の概念 将来の一定期間における事業計画の財務面を示す経営計画 製造間接費は「変動費」と「固定費」に分けて管理 変動費 操業度の増減に応じて変動する原価(例:水道光熱費、間接材料費) 固定費 操業度に関わらず一定額が発生する原価(例:家賃、リース料) 変動予算の特徴 固定費は操業度に関係なく予算額は変わらない 変動費は操業度に応じて予算額が調整される 具体例 フル操業(500時間)、変動費率700円、固定費600,000円の場合 500時間の予算額: 700円 × 500時間 - 受取手形(3級・2級商業簿記)
受取手形 手形は売上代金の回収方法の一つで、現在は手形レス化が進んでいる それでも簿記学習には重要なテーマ 受取手形の定義 将来の一定期日に、手形に記載された代金を受け取る権利を表す資産勘定 関連用語 売掛金: 商品を販売して代金を後で受け取る権利 売上債権: 売掛金と受取手形を合わせたもの 貸倒引当金: 売上債権に関連し設定される 売上代金の回収方法 現金売上: 代金をその場で受け取る 掛売上: 後払い、未回収の代金は「売掛金」 受取手形: 取引先が発行した約束手形を受け取った場合 取引例 商品40万円を売上げ、20万円を現金で受け取り、残り20万円を約束手形で受け取る 仕訳例 売上 400,000円 現金 200,000円 受取手形 200,000円 - 報酬、連結決算、有価証券報告書
報酬 職務の遂行に対する対価として支払われる現金やその他の資産。 従業員の報酬 給与手当(指示命令系の仕事)。 役員の報酬 役員報酬(専門家としての経営成果に対する報酬)。 経営プロフェッショナルとして経営を委託されるため、給与とは区別される。 専門家報酬 会計士や税理士に支払う報酬(業務委託の形)。 連結決算 親会社と子会社などの企業群の決算を合算して、グループ全体の損益を算出する手法。 上場企業においては、単体決算だけでなく、連結決算が重視される。 連結決算に基づく財務諸表は「連結財務諸表」と呼ばれる。 英語表記は「Consolidated Financial Statements」。 有価証券報告書 上場企業や一定規模以上の企業が作成し、外部に開示する義務がある報告書。 - 製造間接費(2級工業簿記)
製造間接費の定義 製造間接費は、間接材料費、間接労務費、間接経費の合計額。 これらの費用は直接製品に関連付けられないため、基準を用いて製品に配分する。 製造間接費の配分基準 直接作業時間や機械運転時間、直接労務費などが配分基準として使用される。 作業時間が多い製品には、より多くの製造間接費が配分される。 関連する用語 間接材料費、間接労務費、間接経費、配賦率、配賦、仕掛品 など。 配賦率は、1時間あたりの製造間接費を示し、基準に基づいて製品ごとに製造間接費を配分するために使用される。 製造間接費の配分方法 製造間接費は直接製品に関連付けられないため、合計額を配分基準に基づいて配分する。 直接作業時間や機械運転時間などの基準を使用して、配賦率を算出し、製品ごとに配分。 - 退職金、総務、経理
退職金 簿記2級から登場、簿記1級では頻繁に出題 企業で長年働いた役員や従業員に支払われる金銭 長期間の勤務に対する対価として、支払額は大きくなることが多い 退職金を毎年積み立てることが望ましい 退職給付引当金として負債計上 役員への退職金は「退職慰労金」と呼ばれることもある 簿記では従業員に対する退職金の引当金を覚えることが重要 総務 企業内で重要な役割を担う管理部門 人事、経理、広報などの専門部署がない場合、業務をまとめて担当 企業によって役割や業務内容が異なる 大企業では株主総会の準備や社長秘書業務なども含まれる 中小企業では管理業務のほとんどを担当することがある 営業部門や製造部門などの専門部署以外の事務を担当 経理