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三菱重工・流動資産を3年で3000億円圧縮の意図

三菱重工の2015年3月期の連結営業利益は前期比21%増加の2500億円を見込んでいるそうです。
2期連続の最高益を予想しており、業績好調ですね。
欧州や中国で低燃費車向けのターボチャージャーが伸びることで、業績をけん引すると見られているようです。
また、いっぽうで、流動資産を3年後に3000億円圧縮する目標を掲げています。
これは、財務改善の一環ということです。
ここで、流動資産を圧縮することがなぜ財務改善につながるかについて、解説してみましょう。
まずは基礎知識です。
<流動資産>
流動資産とは、現金や営業サイクルの中で発生する売掛金・棚卸資産・前払金などの営業資産と、決算日の翌日から一年以内に回収・消滅する短期的な資産のことです。
決算日の翌日から一年以内に回収・消滅する資産の例としては、次のようなものがあります。
(1)前払家賃、前払保険料、前払交通費(定期など)…
(2)短期貸付金
(3)未収金(有価証券や固定資産の売却代金)
(4)普通預金、当座預金、一年以内に満期が来る定期預金など
いずれにせよ、常識的に見て短期間に現金になったり費用になったりする資産が流動資産です。
ここで、現金や預金を除く流動資産については、それらが膨らんだときに、一時的にとはいえ、資金がそこに滞留します。
たとえば、商品を購入して在庫として残れば、その資金投下額は棚卸資産残高になります。
また、商品を売り上げても、決算日時点で未回収のものは売掛金のような未回収の債権としてバランスシートに表記されますね。
このように、「現金および預金」以外の流動資産は、その分だけ資金がそこに滞留するため、じつは短期的には資金不足となる大きな原因なのです。
このような短期的に資金不足となる部分をどこかから埋めなければならず、
この額を運転資金とか運転資本というのですね。
当面の事業の運転に必要な資金不足額を運転資本というわけです。
計算方法の例としては、次の式が考えられます。
受取手形・売掛金+棚卸資産+前払金(仕入代金の前払い分)
?支払手形・買掛金+前受金(売上代金の前払い分)
=(正味)運転資本、(正味)運転資金
この運転資本の額、理想としては資本金や利益などの自己資本でまかなえればいいのですが、次善の策として長期借入金などのしばらく返済しなくていい長期負債で調達する方法があります。
それもだめなら、最終的には短期借入金や手形の割引などの返済期限がすぐに来るような資金調達方法を選択することになります。
いずれにせよ、この運転資本が大きければ大きいほど、短期的な資金不足を意味しますから、この分を圧縮できれば、企業としては短期の資金繰りが楽になることは自明です。
平均的には、月商の1カ月、多くて2カ月程度という企業が多いのですが、月商の3カ月強の売上に相当する資金を三菱重工は抱えていると報じられています。
じっさいに、2014年3月期のデータをもとに計算してみましょう。
売上高は3,349,598百万円です。
平均月商にすると、3,349,598÷12=279,133百万円。
※運転資金の計算例
受取手形・売掛金1,188,928+棚卸資産1,150,900
?支払手形・買掛金801,445+前受金567,470
=970,913百万円
さらに、運転資金を月商で割って、970,913÷279,133=3.48ヵ月と出ました。
新聞報道に言う「3カ月強」という表現に近いです。
これをさらに縮めるために、3年で3000億円もの流動資産を圧縮しよう、と考えているわけなのでしょう。
今回は、流動資産と運転資本(運転資金)に関するお話でした。

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