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ソニー、スマホ事業で1800億円の減損損失

ソニーは9月17日に、「モバイル・コミュニケーション分野の営業権に関する減損計上及びそれにともなう2014年度連結業績見通し修正のお知らせ」というタイトルの発表をウェブ上で行っています。
⇒ http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/financial/fr/14revision_sony.pdf
これによりますと、モバイル・コミュニケーション(以下MC)分野における中期の経営計画を見直した結果、2014年度第2四半期において、MC分野の営業権全額の減損約1,800億円を営業損失として計上する見込みとなったそうです。
それにともない、2015年3月期の連結業績見込みを下方修正し、当期純損失を500億円から2,300億円になりました。
売上高の予想は7兆8000億円で変更なしなのですが、営業利益が1,400億円からマイナス400億円へ、税引き前の利益が1,300億円からマイナス500億円へと変更されるので、かなり大きな減少です。
ちなみに、17日の発表前後における株価の動きを見てみると、
11日 2104.5
12日 2127
16日 2163
17日 2123.5
18日 1940
19日 1921
16日をピークに、見事に下降線をたどっています。
16日の2163円と19日の1921円を比較すると、この間242円ほど下がっていますので、4営業日のあいだに242/2163=11.188%もの株価の下落があったと考えられます。
1,800億円の減損は、よほど大きなショックを市場にあたえたのだな、と想像できますね。
ここで、減損損失について、見ておきましょう。
企業が所有している建物や土地や機械装置などの固定資産は、当初の設備計画では一定の収益を将来的に予測して取得されているはずです。
それが、途中で将来の収益予測が悪化して、その時の帳簿価額よりも低い額しか将来回収できない、と見込まれる場合には、回収可能な額まで固定資産の帳簿価額(会計上の評価額)を減額する、という会計処理が行われます。
これが減損会計なのですね。
そして、直近の帳簿価額と減損実施時点の回収可能額との差額を「減損損失」として、損益計算書の特別損失に計上します。
(損益計算書の表示例)
1. 売上高
2. 売上原価
売上総利益
3. 販売費及び一般管理費
営業利益
4. 営業外収益
5. 営業外費用
経常利益
6. 特別利益
7. 特別損失 ←ここに「減損損失」が入る。
税引前当期純利益
8. 法人税等
当期純利益
なお、この減損損失は、目に見える設備、つまり建物や機械などの有形固定資産だけでなく、M&Aで、相手の会社の純資産よりも高い金額を払って取得したその超過額(買収による支払額?相手の純資産)、すなわち「のれん」(営業権とかつては言っていました)も対象となります。
いいかえれば、M&Aで取得した事業が不振になり、将来の収益が見込めなくなれば、その際に発生したのれんの評価も下げなければならなくなるね、という理屈です。
今回のソニーが行った1,800億円の減損損失は、まさにそのようなケースだった、と考えられます。
また、これに関連して1,000人の追加削減を予定しているそうです。
スマホ事業は約7,000人ということですので、その約15%が削減されるという大なたです。
ちなみに、ソニーの従業員の平均年間給与は885万円(有価証券報告書より)ですので、単純に1000人分を計算すると、給料だけでも88億5,000万円の費用削減を目論んでいるということが言えそうです。
人員引き下げで、少なくとも営業利益を88億5,000万円ほど押し上げる可能性があることを示唆していますね。
ほかにも福利厚生費とかその従業員の周辺でかかるコストなどがありますので、そのあたりを加えるともっとかもしれません。
人員削減によって売り上げが下がるかどうかはわかりませんが、売上減少を上回る費用の削減効果が期待されているのだと思います。
こうして見ると皮肉な話ですが、株主の立場で見ると人員削減は業績改善の一手として歓迎され、従業員の立場で見ると、雇用情勢の悪化として受け入れがたい、という相反する状況をもたらすわけです。
ソニーに対する利害関係のありかたが違えば、人員削減に対する捉え方も違ってきます。
いずれにせよ、スマホ事業が不審であることへのソニーの経営姿勢が明らかになったニュースですね。

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