マツダが実質無借金になる見通し
2017年3月期に、マツダが実質無借金になる見通しだそうです。
2014年3月期に約2600億円ある純有利子負債(実質借金)を毎年1000億円ずつ減らし、3年後の2017年3月期には現金預金が有利子負債を上回る実質無借金を目指す、と報じられています。
実質無借金というのは、企業が負っている有利子負債(利払いを伴う負債:借入金、社債、リース債務などから構成)から現金預金などの支払手段を引いた残高をいいます。
ここでは、支払い手段としてキャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物を用いて計算してみましょう。
ここで、2014年3月期の実質借金をマツダの決算短信をもとに計算してみますと…
(貸借対照表より)
短期借入金 105,283
+1年以内長期借入金 87,496
+1年以内社債 20,100
+リース債務 2,119
+社債 20,450
+長期借入金 504,446
+リース債務 2,841
= 742,735 百万円・・・有利子負債
(キャッシュ・フロー計算書より)
現金及び現金同等物 479,754 百万円
(実質借金)
742,735?479,754=262,981百万円
マツダの決算短信(2014/3/31)では、純有利子負債が約2630億円と記載されていたので、おそらく上記のような計算過程で求めたのではないか、と推測されます。
現時点での純有利子負債が2,600億円程度ということなので、今後、年間1,000億円の現金収支が見込めるならば、たしかに3年以内での純有利子負債をゼロ以下にすることが可能となるでしょう。
※純有利子負債(実質借金)がマイナス(ゼロ未満)の時は、現金の方が多いので、実質現金となる。
ちなみに、2014年3月期における、年間キャッシュ・フローを見てみると、営業活動によるキャッシュ・フローが1,363億円、投資活動によるキャッシュ・フローが1,201億円で、差引き163億円のフリー・キャッシュ・フロー(自由に使える資金)と推測されます。
これが当期以降では、営業キャッシュ・フローが2,000億円程度の黒字になることが見込まれている、ということで、これだけでも前期の1,363憶円と比較して637憶円もの増加にあたります。
さらに大型投資が一巡したことから投資活動の支出も減少すると予測されているため、トータルで1,000憶円前後のフリー・キャッシュ・フローになるのではないか、と考えられているのですね。
以上のような分析から、今後3年で純有利子負債(実質借金)はゼロ以下になって、純現金残高に転換する可能性がある、と指摘されているわけです。
平成24年3月期以降、たしかにマツダの業績が徐々に良くなっているかのような印象を受けます。
この動きが本物になるかどうかは、2014年の四半期業績の推移を細かく確認していくことで、あるていど判断できそうです。
以上、マツダのキャッシュ・フローに関する話題でした。
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