ソフトバンクが営業利益1兆円に!
2014年5月7日に、ソフトバンクが2014年3月期の決算発表を行いました。
それによると、営業利益が前期比で36%増加し、1兆853億円と、いよいよ1兆円の大台に乗せたとのことです。
(ソフトバンクの決算説明)
→ http://www.softbank.jp/corp/irinfo/presentations/2013/#5680
では、決算の中身を見ていきましょう。
2014年3月期
売上高 6兆6666億円 (108.2%アップ)
営業利益 1兆0853億円 (35.8%アップ)
当期純利益 5270億円 (41.5%アップ)
2013年3月期
売上高 3兆2025億円
営業利益 7993億円
当期純利益 3724億円
売上高が倍に伸びています。
これがいちばん目を引きますね。
3兆4,000億円もの売上アップの原因をチェックしてみると…
まず、第2四半期(2013年7?9月期)から新たに加わった米携帯大手スプリント事業の買収効果で2兆6010億円のアップがもっとも大きかった
ようですね。
まさに買収効果で規模を拡大した好例です。
このほか、ガンホーやウィルコムなどを子会社化した影響もあります。
M&A効果によって売上高が大幅アップしただけでなく、営業利益の増加にも大きな影響がありました。
ソフトバンクの決算内容を拝見しますと、2013年3月期の営業利益は7,993億円、2014年3月期の営業利益は1兆0853億円です。
しかし、1兆0853億円のうち、2,538億円は、ガンホーとウィルコムを子会社化することによって投資持分を調整したために生じた一時的な利益なのです。
ガンホーの支配獲得(子会社化)に伴う再測定の利益が1,501億円、ウィルコムの支配獲得(子会社化)に伴う再測定の利益が1,037億円あります。
この2つが営業利益を更に押し上げた要因なのですね。
これは、営業利益という区分にあるとはいえ、ちょっと特殊な利益なので、毎年このようなことが起こるわけではないです。
よって、本来の営業活動そのものから得た営業利益は、
1兆0853億円?2,538億円=8,315億円前後と考えられます。
これだと、前期(7,993億円)と比べて、わずか4.0%の営業利益の伸びにとどまります。
意外に伸びていない印象を受けますね。
ここで留意したいのは、売上高自体はほぼ倍(100%アップ)なのに対して、営業利益の伸びは、実質4%程度であり、売上の伸びと比較すると物足りない、とも思える数字が何を意味するかです。
「規模は大きくなったけど、収益体質は今後どうなるの?」
こういった疑問に孫正義社長がどのような回答を与えるのか、今後の決算を注目していきたいところです。
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仮払金の重要性 実務および試験対策において重要な科目。 簿記3級以上で出題され、2級、1級、会計士、税理士の試験にも登場する。 仮払金の分類 資産勘定に分類される。 実際の支出金額や内容が未確定な場合に使用する。 仮払金の定義 支出金額や内容が確定していない場合に一時的に支払う際に使用する勘定科目。 支出内容が確定した時点で精算処理を行い、仮払金は解消される。 短期間で精算されることが前提。 関連する勘定科目 現金や仮受金(負債)などが関連する。 実務での使用例 例: 出張費が確定しない場合、社員に2,000円を仮払金として渡し、実際の費用が確定した後に精算する。 例: 交通費が1,700円だった場合、差額の300円を返金して仮払金を精算。