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ローソン、三越伊勢丹などが成城石井買収に参加?

日経朝刊によりますと、高級スーパー成城石井(2013年12月時点で約110店舗運営)を傘下にもつ三菱商事系投資ファンドの丸の内キャピタルが、12日までに買収の意向を確認したそうです。
今後は入札を行い、早ければ今年の秋に買収先が決まる見通しだとか。
丸の内キャピタルは、2011年に現在のレインズインターナショナル(当時はレックス・ホールディングス)から成城石井を買い取りました。
その時の買収額は、日経新聞では400億円超と報じられています。
ロイターの記事では、420億円程度と書かれていました。
今回の買収希望価格は500億円程度とされているそうです。
一部には、この金額はちょっと高いのでは?という意見もあるようですね。
最終的な買収価格は、420億円と500億円のあいだのどこかで決まるのでしょうか。
400億円半ばくらいまでならば、買い手側の交渉パワーが強く、400億円後半で500億円に近づくほど、売り手側の交渉パワーが強かった、ということになりそうですね。
ここで、日経新聞からわかる財務情報を元に、おおまかな買収価格の予測をしてみましょう。
2012年12月期の売上高が518億円、営業利益が31億円だそうです。
店舗数が約110店とのことですので、1店舗あたり年間518億円÷110店=4.7億円程度の売上を上げているということですね。
月にすると3900万円です。
さらに一日あたりにすると130万円の売り上げを日々稼いでいることになります。
コンビニがだいたい50?60万円程度ですから、その2?2.5倍といったところでしょうか。
売上高営業利益率は31÷518=5.98%なので、標準的といえます。
目立って良くも悪くもないね、という感じです。
売り手の買収希望価格が500億円ということは、ほぼ売上高と同じ額を希望していることになります。
それが妥当かどうか、が焦点ですね。
ここで、ひとつの目安として、企業価値を「将来獲得するキャッシュのかたまり」とみなして計算する方法をご紹介しましょう。
企業価値
=将来稼ぐキャッシュの合計から、資金調達に対するコストを除いた額
もっとも単純なモデルを考えますと、「将来、ずっと毎期一定の利益があるとみなして、それを利回りで割った額」を投資価格と推定するやり方があります。
たとえば、1,000万円を預けて、将来、毎年20万円ずつ利息がもらえる定期預金があるとしましょう。
この場合、定期預金の利回り(税引き前です)は、20万円/1,000万円=2%ですね。
これを、別の視点から見てみます。
(質問)
毎年20万円の利息がもらえる定期預金、年利が2%(税引き前)ならば、いくらまで預けてもいいと考えますか?
(答え)
20万円/0.02(2%)=20÷0.02=1,000万円…定期預金の投資価格の上限
このように考えます。
つまり、毎年のリターン(一定と仮定した場合)の額と、利回りがわかれば、投資商品の価格がいちおう決まるわけですね。
投資商品は、定期預金に限らず、投資信託、株式、不動産など、さまざまあります。
もちろん、企業の買収も投資商品の一つとして考えればよいのですね。
以上をもとに、今回は成城石井について限られた財務情報の中から、営業利益を使って企業の買収価格を検討してみます。
営業利益は、本業からの儲けですので、いちおう使い勝手がいいですね。
損益計算書の営業利益は、法人税等の税金コストを引く前なので、まずは税金コストを見積もって引きます。
仮に、法人税・住民税・事業税をあわせて35%としましょう。
税引き後の営業利益は31億円×(1?0.35)=20.15億円です。
ざっくり20億円と計算してみます。
ほんとうは、税引き後の営業利益に減価償却費を足して、設備投資額を引くなどして、フリー・キャッシュ・フロー(企業が自由に使えるお金)を求めますが、ここでは減価償却費と設備投資額の情報がないので、仮に「減価償却費≒設備投資額」と仮定しておきます。
減価償却費の毎期計上額と設備の更新投資の額がだいたい同じならば、それほど影響はないでしょう。
そういった前提を付け加えて、ざっくり計算いたします。
その他の細かい条件(運転資本とかなんとか…)も、このさい枝葉末節と捉えて無視!しますね(笑)。
…ということで、毎期の推定フリー・キャッシュ20億円を買収希望価格500億円で割ると…
20億円÷500億円=4%の投資利回り(税引き後)です。
では、450億円ならば?
20億円÷450億円=4.44…%
ちょっと上がりますね。
ちなみに、20億円というのは2012年の過去の実績をもとにざっくりと求めたものです。
将来の予測とは違いますね。
これに対し、買収価格は将来の収益力を対象に決められますから、過去の実績通りに考えるとは限りません。
将来、何店舗増やすのだから、もっと収益は上がるはず、とか、マーケットは成長過程にあるから、もっと高いリターンが望める、みたいに修正を加えます。
たとえば、売る側としては、もっと店舗拡張するとか、ローソンや三越伊勢丹などの企業ブランドとマッチングさせればもっと成城石井のイメージや知名度も向上して利益がアップする、みたいに相乗効果を主張して、より高いリターンを想定することも考えられます。
たとえば、将来のリターン(フリー・キャッシュ・フローなど)が20億円ではなく40億円になるはずだ!と大幅成長予測をしているならば、40億円÷8%=500億円でも、リターン8%で非常に高い投資リターンが見込めますね?、みたいに考えるかもしれません。
いっぽう、買い手としては、「いやいや、消費増税や少子高齢化の進展でマーケットは縮んでいきますから、20億円を維持するのがやっとですわ!」みたいに考えていたら、400億円台の半ば以下でちょうどいいかも、と思っているかもしれません。
このあたりは、価格交渉という名の駆け引きですね。
けっこう泥臭い話があったりします。
成城石井は柴山会計の事務所の所在地である高田馬場にもあります。
高級感あふれるスーパーですね。
身近なところに店があるので、今後、どこの傘下になるのか、そしてその買収価格はいくらになるのか、ちょっと注目していきたいところです。

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