企業の7割が増収増益?本当に景気回復のサインか?
2014年3月期をむかえる上場企業の7割が増収増益を見込んでいるということです。
「増収」とは、「売上高が前期比で増えること」を言い、
「増益」とは、「利益が前期比で増えること」を言います。
ちなみに、利益の最終結論は当期純利益ですが、そこに至る過程で、
1.売上総利益
2.営業利益
3.経常利益
4.税引前当期純利益
5.当期純利益
のように、5段階もの利益があるわけですね。
それぞれには、もちろん特徴があるのですが、日本では昔から企業の正常な状況下における収益力を図る指標として、経常利益を重視する傾向があります。
このときの日経が言っている増益も、じつはこの経常利益が前期比で増えることを意味しているのですね。
具体的には、金融などを除く3月期企業のうち463社が31日までに2013年4月?12月期の第3四半期決算を行いました。
日経が9ヵ月決算の実績を集計したところ、売上高は前年同期比で11%増、
経常利益35%もの増となるそうです。
たしかに、これはなかなかの数字です。
増収率は、企業の成長性をあらわす代表的な指標と言われています。
売上が増えると言うことは、その企業が活動しているマーケットが拡大・成長しているとか、あるいは企業がそのマーケットの中でシェアを伸ばしている、と考えることができるからです。
やはり、成長なきところに活気はもたらされないわけで、特に会社を上場させると決めた時から、経営者は常にマーケットから「お宅の会社、これからどれくらい成長するの?」というとこをもっとも強く求められる運命にあるのですね。
しかし、いくら売上が増えても、その大部分が赤字覚悟の大幅値引きによる売上数量アップでもたらされたりしたら、会社にとってはかえって利益を減らすことになりかねません。
これがよく、売上至上主義のひとつの問題点としてあげられるのですね。
値引き販売、押し込み販売が健全な企業経営をかえって害することにもなりかねません。
そこで、売上を伸ばすと同時に、やはり利益もいっしょに伸びていることが理想的だといえるわけなのです。
そのさいに、配当の財源となり、また株価を推測するさいの大きな判断材料ともなる当期純利益、とくに一株当たり当期純利益の過去の成長性は非常に投資家から重視されます。
現在の経済環境からすると、おおむね一株当たり当期純利益の10年分?20年分のあいだで株価がつくことが多いだろう、と思われるからですね。
当期純利益に対する株価の比率をPERといいます。
Price Earnings Ratioの略です。
株価収益率と訳されますね。
株価を推測する重要な指標の一つです。
当期純利益を成長性のひとつの指標とすることもあるし、日本特有の傾向として、営業活動と財務活動の成果として見ることができる経常利益の伸びで判断することもあります。
要は、分析の目的に応じて、どの利益を用いて増益率を求めるか、適切に使い分けることができればよいのではないかと思います。
ちなみに、上場企業の7割が増収増益ということで、だから副題として、脱デフレ型成長になるか?みたいなことが書かれていますが、それはちょっと気が早いというものです。
消費増税のマイナス影響が限定的になるかどうかを確認してからでも、遅くはないのではないでしょうか。
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