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赤字の繰越控除縮小を政府・与党が検討?

繰越損失の制度は、ある事業年度で発生した赤字額を、翌年度以降の事業における黒字から控除して税金計算を行うことができる税制上のしくみです。
これは、青色申告をしている場合に認められるので、とくに設立した時は、当初いそがしくてうっかり青色申告の承認申請を出し忘れて、初年度の赤字を繰越控除受けられない?!などというもったいないことのないよう、注意が必要ですね。
繰越損失のお話は、以前に本メルマガでもご紹介したことがありますが、ここでかんたんな事例をつかって、今一度基本的な計算のしくみを確認しておきましょう。
(設例1)
A社(資本金5千万円)は、X1年度に100万円の赤字(=繰越損失)を
計上した。
X1年度の法人税はゼロだった。
X2年度に120万円の黒字が出た。
X2年度の法人税はいくらか? なお、税率は15%とする。
(計算例1)
X2年度の課税所得(税務上の利益):
120万円?繰越損失100万円=20万円
20万円×15%=3万円…法人税の額
以上は、いわゆる中小法人等(資本金1億円以下など)の会社を想定しています。
本設例のA社は、資本金5千万円ということで、中小法人等に対する繰越損失の適用となり、赤字の全額をX2年度に控除できました。
これに対し、資本金が1億円超などの中小法人等以外の会社は、その年の黒字の80%までしか繰越損失の控除が認められません。
よって、黒字があれば、課税所得が必ずいくらかは生じます。
(設例2)
B社(資本金2億円)は、X1年度に100万円の赤字(=繰越損失)を計上した。
X1年度の法人税はゼロだった。
X2年度に120万円の黒字が出た。
X2年度の法人税はいくらか? なお、税率は25%とする。
(計算例2)
X2年度の課税所得(税務上の利益):
120万円?(※1)96万円=24万円
24万円×25%=6万円…法人税の額
(※1)繰越損失100万円>控除前所得120万円×80%=96万円 ∴96万円
以上のように、より規模の大きい中小法人等以外の会社は、税負担が厳しくなります。
このような現状を踏まえ、今朝の日経新聞を見ると、政府・与党が検討する方向性は、やはり繰越期間の短縮(現在は9年)や繰越損失と相殺できる黒字の割合引き下げなのでしょう。
ただ、このような微妙な変更は、どうも枝葉末節で、大局的な視点に立った政策の一環とは考えにくいですね。
ほんと、ここのところの税制変更(改正ではないです)は、器が小さいというか、こちょこちょと目先のルールをこねくり回しているだけで、こざかしさばかり目につくのですが、そんなことしている暇があったら、消費増税を今は見送れ!といいたくなります。
本当の骨太改革は、景気がようやく光を差し始めたんだから、それが本格的な回復の炎となって燃え盛るまで、消費増税を我慢する、くらいのことをしなければだめなのではないでしょうか。
なんで、消費増税ありきで当然なのでしょうね。
しかも「今」。
ほんとうにタイミングを間違えている気がしてしょうがないです。
できればいったん3%にまで縮小して、もっと消費者がお金を使いやすくする!くらいのガッツを示すほうがよっぽど政府の覚悟が感じられるというものです。
後世の教科書に、「2013年度のアベノミクスで、異次元緩和等によりいったん回復の兆しを見せた日本経済が、その後の消費税2段階アップという失策により、4年後の2017年には、ついに国税収入30兆円割れという危機的な歳入減の事態を招いてしまった…(以下略)」
みたいな感じで、前政権の民主党に続く残念な政権だったと書かれない事を、心より祈るばかりです。

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