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新日鉄住金、車の部品生産能力を1割アップ

新日鉄住金は、アメリカの子会社インターナショナル・クランクシャフト(ICI)で、自動車のエンジンを構成する主要な部品の生産能力を引き上げる計画とのことです。
既存ラインの生産能力は年270万本です。
これを300万本まで引き上げる予定なのだそうです。
日系自動車メーカーの現地調達を拡大したり、アメリカのメーカーによる軽量化促進の需要に応える狙いがあります。
対象となる部品は「鍛造クランクシャフト」といい、溶けた鉄を型に流し込んで作る鋳造品と比較して、重量が軽くなる点がポイントのようですね。
これまで鋳造品を使用していた米自動車メーカーが、燃費の向上などを目的として軽量化を進めるのは必然的な流れだと思います。
これを受けて、ICIが生産能力を増強するということですね。
ここで、日商簿記2級で学ぶ工業簿記の知識が役に立ちます。
生産能力という言葉は、工業簿記の世界では、「固定費の製品への集計」にあたって重要な意味を持ちます。
特に、製造間接費といって、水道光熱費や設備の減価償却費など、工場全体で漠然と発生する経費のうち、生産量の増減に依存しない固定費の予算額を決定する際に、生産能力をどれくらいにするかによって、大きな違いが生じるのですね。
新聞の報道を見る限り、ここでいう「生産能力」というのは、工業簿記の用語にいう「実際的生産能力」に近いと考えられます。
【基礎知識】実際的生産能力
計算上考えられる理想的な生産能力(理論的生産能力といいます)から、避けることのできない作業休止、たとえば機械の故障や修繕、段取、不良材料、行員の欠勤や休暇などを原因とする作業の停止による生産量の減少分を差し引いた実現可能な年間の最大操業水準のこと。
実際的生産能力を引き上げれば、それだけ設備投資も増えますから減価償却費が上昇します。
また、それだけ多くの設備を稼働すれば人件費やその他の諸経費も上昇するでしょう。
こういった点から、生産能力のアップは、だいたい固定費のアップも伴います。
しかし、生産能力不足で売り上げのチャンスをみすみす逃すのであれば、設備投資をして生産能力を引き上げるという経営判断は、長期的に見て、ありといえるでしょう。
つまり、この新日鉄住金の経営判断は、数億円の固定費を増加させることと、生産ラインを増強することによる売上チャンス拡大の利益を比較して、
生産ライン増強による売上アップの方が、メリットが大きいと考えたことによるわけです。
生産能力アップの裏には、常に固定費上昇の要因を内に含んでいるんだ、ということも合わせて想像できるようにしたいですね。

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