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研究開発費が全体で5.4%増加

昨今の円安・株高などによる影響もあって、企業の業績が回復基調にあります。
そのような状況下で、将来の成長をにらんだ企業の研究開発への投資活動が活発化してきています。
日経新聞社が、主要493社の研究開発担当役員らを対象に、2013年度の研究開発活動に関する調査を行ったそうです。
その中で有効回答を得た企業のうち、前年度分の研究開発費を回答した企業261社について、前期比較をしたところ、その24%にあたる63社が前年度よりも研究開発費の支出を二桁伸ばすことがわかりました。
全体の伸びも5.4%と、12年度調査の4.3%を上回ったということで、企業の研究開発に対する積極的な姿勢がうかがえます。
1位は前年度と同じトヨタ自動車で、9000億円というすごい数字です。
前年度比で11.47%という高い伸び率です。
2位も前年度と同じでホンダです。こちらは6300億円という額で、前年度比12.45%の伸びです。
ちなみに、第3位は日産自動車で前年度の5位からランクアップの5080億円です。
上位3位までが自動車産業というのは、一つの大きなトレンドを表していますね。
なお、印象としては研究開発投資が重要な経営戦略となるイメージのある製薬会社ですが、こちらのNo.1である武田薬品工業は全体では9位の3400億円です。
企業自体の規模が自動車メーカーや巨大電機産業と根本的に違うので、そのあたりの影響で9位という位置にいますが、それでも3000億円以上と大きいです。
ご参考までに4位パナソニック、5位ソニー、6位日立製作所、7位デンソー、8位東芝、10位キャノンだそうです。
こうしてみると、日本の技術研究投資が、自動車・電機などの産業に、
かなり偏っているなあ、という印象でした。
以上は企業の経営戦略的な事象の検討ですが、研究開発支出を会計の面からちょっと考えてみましょう。
かつて、会計ビッグバン以前の1990年代までは、現在のような研究開発に関する会計基準は適用されておらず、かなり異なる会計処理がルールとして定められていました。
1990年代(会計基準適用前)企業の研究開発活動に関する支出は、「試験研究費」や「開発費」などの名称で、繰延資産という会計上の特殊な資産としていったんバランスシートに計上され、その後、5年以内などの一定の期間で償却する方法で将来に費用負担を繰り延べる会計処理が認められていました。
これが研究開発費にかかる会計基準の公表・適用によって、各企業の財務比較をやりやすいように、細かいところをはしょって、ざっくりもうしあげると、ほぼ一律費用として処理しなさい、という会計処理ルールになっています。
会社によって研究や開発の支出を資産にしたり費用にしたりとまちまちだと、損益計算書の利益や貸借対照表の資産や資本などもばらばらの基準で算定されることになり、業績の企業間比較ができないだろう、という趣旨です。
しかし、会社の経営者の本音としては、「将来の収益アップを目指す一種の投資だよね、これは…」という意識が強いので、設備投資やM&Aのように、将来の企業成長をもたらすための先行投資というとらえ方をしたいところなんですね?。
じっさい、研究開発活動が実を結ぶと、それは企業にとっては大きな利益を生む無形の経営資源(リソース)となるわけです。
株式投資の判断や企業の成長性を判断するうえでも、この将来にむけた研究開発への先行支出の先細りがあると印象が悪くなるため、やはり前期と比較したり、同業他社と比較したり、けっこうまめにチェックしたい項目だったりします。
今は情報化社会ですので、いちど優位に立っても、他社はすぐにその良さをコピーして追いつこうとします。
そうしたら、また自社で別の優位性を生み出すためにさらに研究・開発活動に力を入れる…。
ある意味、いたちごっこですが、これが資本主義の宿命なのですね。
このような目で見てみると、研究開発支出が活発化する、ということは、企業が成長に向けて気合十分の積極姿勢を見出すことができます。
これからの企業業績が、このような積極的な研究開発活動で、さらに向上することを、切に期待したいですね。

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