満期保有目的の債券の期末評価
満期まで保有する目的で購入した公社債(債券)は、取得原価で評価します。
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2005.08.31
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<仕訳39> 「満期保有目的の債券」の期末評価
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満期まで保有する目的で購入した公社債(債券)は、取得原価で評価します。
●例1 A社の発行する社債(2年満期)を、額面の100万円で購入し、
小切手を振り出した。[単位:万円]
1(借)満期保有目的債券 100 (貸)当 座 預 金 100
●例2 2年後、満期になったので額面100万円に相当する額を、当座預金
口座に振り込んでもらった(社債の満期償還)。
2(借)当 座 預 金 100 (貸)満期保有目的債券 100
☆ しかし、上記の例1のように、100万円で購入して100万円で償還
されても、投資者としては、何の得もありません。
そこで、最初の購入時に、安い額で購入することがあります。
●例3 B社の発行する社債(2年満期)を、額面より低い96万円で購入
し、小切手を振り出した。[単位:万円]
3(借)満期保有目的債券 96 (貸)当 座 預 金 96
※ 満期の入金額100万円との差額4万円は、
2年の保有期間にわたる金利の一部(=調整額)とみなされる。
●例4 購入から1年後の決算で、2年の保有期間に対する差額4万円のうち
1年分の2万円(4万円×1/2年)を、当期の利息として計上し、
なおかつ、満期保有目的債券の評価を増額する。
4(借)満期保有目的債券 2 (貸)有価 証券 利息 2
――――――――
↑
または、「受取利息」
●例5 購入から2年後の決算で、さらに2万円の評価を増額する。
また、決算日が満期なので、同時に、100万円で償還の入金を受け、
仕訳も行う(当座入金)。
5(借)満期保有目的債券 2 (貸)有価 証券 利息 2
当 座 預 金 100 満期保有目的債券 100
※ 満期保有目的債券100 = 取得原価96+増額2+増額2
なお、上記のように、毎決算期で、金利に相当する額を少しずつ評価に加減
する有価証券の評価方法を、【償却原価法】★★★ といいます。
【練習】::::::::::::::::::::::::::::::
次の取引を、仕訳しなさい。
当期首に、満期まで5年の期間が残っている社債を、満期保有目的で
購入した。取得原価は190万円であった。額面は200万円である。
当期末の決算において、償却原価法で評価する。
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【答え】単位:万円
(借)満期保有目的債券 2 (貸)有価 証券 利息 2
※ 2万円 =(200 190)万円 ÷ 5年
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立替金(3級・2級商業簿記)
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「前払金」の定義 商品などを注文した際に、品物を受け取る前に支払った手付金や内金のこと。 支払いに関連する勘定科目として「前払金」が使用される。 関連する用語:商品の仕入れなど。 「前払金」の概念 契約や注文が成立した際、手付金を支払うことが一般的。 支払った時点では品物の受け取りが確定していないため、「一時的に相手に預けているお金」として扱う。 支払った金額は資産勘定に計上され、将来的に商品を受け取る権利を持つと考えられる。 「前払金」の特性 仕入れや費用として確定しているわけではない。 目的の品物が手に入らなければ、支払った金額を返金してもらうこともある。 「前渡金」という用語も同義で使用されることがある。 取引例配賦差異(2級工業簿記)
配賦差異の重要性 2級工業簿記で非常に重要な概念。 製造間接費を予定配賦や標準原価計算で計算する際に生じる差異。 試験対策として配賦差異の理解は必須。 配賦差異の定義 配賦差異は、製造間接費の予定配賦額(正常配賦額)と実際発生額との差額。 この差異の把握は、原価管理やコスト管理において重要。 関連用語 「実際配賦」、「予定配賦率」、「製造間接費」、「部門費」など。 配賦差異には「予算差異」と「操業度差異」の2種類がある。 配賦差異の計算方法 予定(正常)配賦額 = 予定(正常)配賦率 × 実際操業度。 実際発生額との差額が配賦差異。 差異の処理方法 実際発生額が予定額を上回る場合、追加コストとして借方差異(不利差異)。 実際発生額が予定額を下回る場合、コスト節約として貸方差異(有利差異)。手形貸付金・借入金(3級・2級商業簿記)
手形貸付金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる貸付債権。 資産に分類される。 手形を使わない場合は、「貸付金」 手形借入金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる借入債務。 負債に分類される。 手形を使わない場合は、「借入金」 仕訳例 資金を貸し付ける場合:「手形貸付金」 資金を借り入れる場合:「手形借入金」 具体例 200万円を借り入れ、約束手形を発行し当座預金に入金された場合: 借方:当座預金 + 2,000,000円 貸方:手形借入金 + 2,000,000円 総勘定元帳への転記 資産:「当座預金 + 2,000,000円」 負債:「手形借入金 + 2,000,000円」仮払金(3級・2級商業簿記)
仮払金の重要性 実務および試験対策において重要な科目。 簿記3級以上で出題され、2級、1級、会計士、税理士の試験にも登場する。 仮払金の分類 資産勘定に分類される。 実際の支出金額や内容が未確定な場合に使用する。 仮払金の定義 支出金額や内容が確定していない場合に一時的に支払う際に使用する勘定科目。 支出内容が確定した時点で精算処理を行い、仮払金は解消される。 短期間で精算されることが前提。 関連する勘定科目 現金や仮受金(負債)などが関連する。 実務での使用例 例: 出張費が確定しない場合、社員に2,000円を仮払金として渡し、実際の費用が確定した後に精算する。 例: 交通費が1,700円だった場合、差額の300円を返金して仮払金を精算。