精算表問題の入門知識
精算表とは、決算整理前残高試算表→決算整理仕訳→B/S、P/L
の決算の手順を一覧表にした作業表です。
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lesson.071
★ 5分で完結!小学生でもわかる簿記入門 ★
2004.11.5
関連HP https://bokikaikei.net/ (月・水・金 午前中)
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【CONTENTS】
○ 精算表問題の入門知識
(※図が見にくい方は、等幅フォントまたはMSゴシックでご覧下さい)
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○ 精算表問題の入門知識
【3級の出題形式】
問 題 出題内容 標準配点 目標時間
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第1問 仕訳問題5題 20点 10分
第2問 補助簿の作成ほか 10点 10分
第3問 試算表、財務諸表の作成ほか 30点 40分
第4問 伝票会計、決算の仕訳ほか 8点 10分
第5問 精算表の作成ほか 32点 40分
今回は、第5問対策の精算表のしくみについて、学習しましょう。
精算表とは、決算整理前残高試算表→決算整理仕訳→B/S、P/L
の決算の手順を一覧表にした作業表です。
会計ソフトには、まず間違いなく付いている表です。
では、精算表の基礎知識と、かんたんな練習問題を、ご紹介しますね。
基礎知識 <精算表の基本フォーム>
決算整理事項
☆ 決算整理前における現金の帳簿残高は12万円だった。
しかし、金庫の中を実査(実地調査)すると、現金の実際残高は
10万円であった。差異の原因は不明である。
過大な2万円は、決算手続で控除し、原因は不明なので、相手勘定は
雑損勘定とする。
(決算整理仕訳)
(借)雑 損 2 (貸)現 金 2
↓
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
勘定科目| 整理前試算表 | 修正仕訳 | 損益計算書 | 貸借対照表
・―――――――――――――――――――――――――――――――
|借 方|貸 方|借 方|貸 方|借 方|貸 方|借 方|貸 方
――――|―――――――――――――――――――――――――――――――
現 金| 12| → | → | 2| → | → | 10|
当座預金| ××| | |( )| | | ××|
: | | | | | | | |
支払手形| | ××| | | | | |
: | | | | | | | |
売 上| | ××| | ××| | | |
: | | | | | | | |
雑 損| 0| → | 2| → | 2| | |
| | |(+)| | | | |
上記のように、
「(決算整理前)残高試算表」→「決算整理仕訳(修正記入)」
→ P/L・B/S
という順に、左から右へ向かって記入していきます。
ステップ2 <精算表に慣れるための、簡単な問題練習>
次の精算表につき、(決算整理前)試算表の各金額に、決算整理事項を
加算または減算し、右の損益計算書と貸借対照表に正しく書き写し、
当期純利益を計算しなさい。
決算整理事項(1つ)
1.現金の期末実際残高は、20万円であった。差額の原因は不明である。
【解答用紙】
精 算 表
(単位:万円)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
勘定科目| 整理前試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表
・―――――――――――――――――――――――――――――――
|借 方|貸 方|借 方|貸 方|借 方|貸 方|借 方|貸 方
――――|―――――――――――――――――――――――――――――――
現 金| 24 | | |( )| | |( )|
土 地| 50 | | | | | |( )|
借 入 金| | 28 | | | | | |( )
資 本 金| | 30 | | | | | |( )
売 上| | 80 | | | |( )| |
仕 入| 45 | | | |( )| | |
営 業 費| 19 | | | |( )| | |
雑 損| 0 | |( )| |( )| | |
当期 | | | | | | | |
純利益 | | | | |( )| | |( )
――――|―――|―――|―――|―――|―――|―――――――――――
合計 |( )|( )|( )|( )|( )|( )|( )|( )
====================================
【模範解答】
精 算 表
(単位:万円)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
勘定科目| 整理前試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表
・―――――――――――――――――――――――――――――――
|借 方|貸 方|借 方|貸 方|借 方|貸 方|借 方|貸 方
――――|―――――――――――――――――――――――――――――――
現 金| 24 | | |( 4)| | |(20)|
土 地| 50 | | | | | |(50)|
借 入 金| | 28 | | | | | |(58)
資 本 金| | 30 | | | | | |(30)
売 上| | 80 | | | |(80)| |
仕 入| 45 | | | |(45)| | |
営 業 費| 19 | | | |(19)| | |
雑 損| 0 | |( 4)| |( 4)| | |
当期 | | | | | | | |
純利益 | | | | |(12)| | |(12)
――――|―――|―――|―――|―――|―――|―――――――――――
合計 |( 138)|( 138)|( 4)|( 4)|(80)|(80)|(70)|(70)
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※ 決算整理仕訳
(借)雑 損 4 (貸)現 金 4
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立替金(3級・2級商業簿記)
立替金の定義 立替金とは、誰かのために一時的に支払った代金で、後日精算されるもの。 よく関連語句として「給料」がセットで出てくる。 立替金の概念 例:従業員の個人的な支出や取引先の負担すべき広告費などを、一時的に立て替えて支払う。 支払った金額は「将来返してもらう予定のお金」として資産に計上される。 立替金は「立替金の請求権」として扱われ、資産勘定に計上。 簿記の問題での立替金 給与支給時に従業員に対する立替金を相殺する処理が出題されることがある。 立替金の処理について理解しておくことが重要。 具体的な取引例 例:従業員の頼みで、個人的な支出65,000円を立て替え、現金で支払う。 仕訳: 借方:立替金 65,000円 貸方:現金前払金(3級・2級商業簿記)
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配賦差異の重要性 2級工業簿記で非常に重要な概念。 製造間接費を予定配賦や標準原価計算で計算する際に生じる差異。 試験対策として配賦差異の理解は必須。 配賦差異の定義 配賦差異は、製造間接費の予定配賦額(正常配賦額)と実際発生額との差額。 この差異の把握は、原価管理やコスト管理において重要。 関連用語 「実際配賦」、「予定配賦率」、「製造間接費」、「部門費」など。 配賦差異には「予算差異」と「操業度差異」の2種類がある。 配賦差異の計算方法 予定(正常)配賦額 = 予定(正常)配賦率 × 実際操業度。 実際発生額との差額が配賦差異。 差異の処理方法 実際発生額が予定額を上回る場合、追加コストとして借方差異(不利差異)。 実際発生額が予定額を下回る場合、コスト節約として貸方差異(有利差異)。手形貸付金・借入金(3級・2級商業簿記)
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仮払金の重要性 実務および試験対策において重要な科目。 簿記3級以上で出題され、2級、1級、会計士、税理士の試験にも登場する。 仮払金の分類 資産勘定に分類される。 実際の支出金額や内容が未確定な場合に使用する。 仮払金の定義 支出金額や内容が確定していない場合に一時的に支払う際に使用する勘定科目。 支出内容が確定した時点で精算処理を行い、仮払金は解消される。 短期間で精算されることが前提。 関連する勘定科目 現金や仮受金(負債)などが関連する。 実務での使用例 例: 出張費が確定しない場合、社員に2,000円を仮払金として渡し、実際の費用が確定した後に精算する。 例: 交通費が1,700円だった場合、差額の300円を返金して仮払金を精算。