現金の範囲(その2)
今回は、代表的な財テク商品(金融商品)について、投資した
後の「配当金」または「利息」の受取について、勉強します。
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lesson.009
★ 5分でわかる!使える!!簿記入門 ★
2004.06.11
(月・水・金の午前中配信)
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【CONTENTS】
● 現金の範囲(その2)
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みなさん、こんにちは!
前回に引き続き、現金の範囲(その2)です。
今回は、財テク商品から得られる配当の会計処理ですよ!
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● 現金の範囲(その2)
「株式配当金領収証」
今は、超低金利時代です。
定期預金に100万円を預けても、一年後につく利子は、せいぜい千円
くらいですから、ほかに「もっと利回りの良い運用先はないか?」と考えて
しまうのも無理ないですよね。
そこで、今回は、代表的な財テク商品(金融商品)について、投資した
後の「配当金」または「利息」の受取について、勉強します。
簡単に言うと、現金通貨でもらえるわけではなく、ある種の金券が渡さ
れて、それを銀行などの金融機関で換金する、という手続を踏むことが多
いのです。その辺のことをイメージできるように、がんばりましょう。
たとえば、いま、手持ちのお金100万円を預金として預けずに、
どこかの会社の株券(=株式会社への出資証券)を購入したとしましょう。
(仕訳)
(1) (借)有 価 証 券 100 (貸)現 金 100
※「有価証券」勘定は「売買目的有価証券」勘定で表現することもあります。
つぎに、この株を持っている間に、その投資先の会社がとても儲かった
ため、その利益の一部の3万円を、配当としてもらえることになった、
としましょう。
⇒ 問題はココからです。みなさんは、その会社まで、配当金を取りにい
かなければならないのでしょうか?住んでいるところが東京で、会社の
本社が遠い地方ならば、往復の電車賃だけで、配当金3万円がパーにな
ってしまい、とても効率が悪いですよね。
したがって、会社は、株主名簿にしたがって、株主であるみなさんの
自宅へ、郵送で「株式配当金領収証」という金券を送付するのです。
みなさんは、この株式配当金領収証という紙片を受け取ったら、銀行
や郵便局など、会社の指定する金融機関の窓口へ持参すれば、お金がも
らえます。おもしろいですね!
つまり、「株式配当金領収証」を受け取った時に、現金を受け取った、
と簿記上は解釈して、つぎのとおり仕訳をします。
(2) (借)現 金 3 (貸)受 取 配 当 金 3
総勘定元帳への転記は、次のようになります。
現 金
―――――――――――――――
(2) 3|(1) 100
|
有 価 証 券 受取配当金
――――――――――――――― ―――――――――――――――
(1) 100| |(2) 3
| |
なお、日商3級レベルではあまり試験には出ませんが、応用論点として、
「利札」というものがあります。
これは、国債や社債といった「債券」(国・地方・会社が債券という証書
を発行して、世間の投資家から資金を集める形の借り入れ形態)を購入した
投資家は、その債券に付いている利札(金融機関で換金できる金券)が一定の
期日を経過した時に、「現金」勘定の増加および「受取利息」勘定というもうけ
の発生として、処理するものです。
ちょっと難しい論点なので、飛ばしてもかまいませんが、「興味あるゾ!」
という方は、市販の参考書で補足してもかまいませんし、7月に創刊の
有料メルマガ( https://bokikaikei.net/ )で勉強してくれてもOKです。
★★★練習問題★★★
次の取引を仕訳・転記しなさい。
○ A社の株式10株を、1株あたり50万円で購入し、現金を支払った。
◎ 一年後、A社から、株式配当金領収証が郵送されてきた。
配当金の額は、1株あたり2万円である。
(解答用紙)単位:万円
「仕訳帳」
○ (借) (貸)
◎ (借) (貸)
「総勘定元帳」
現 金
―――――――――――――――
|
|
有 価 証 券 受取配当金
――――――――――――――― ―――――――――――――――
| |
| |
*******************************
(模範解答)単位:万円
「仕訳帳」
○ (借)有 価 証 券 500 (貸)現 金 500
◎ (借)現 金 20 (貸)受 取 配 当 金 20
「総勘定元帳」
現 金
―――――――――――――――
◎ 20|○ 500
|
有 価 証 券 受取配当金
――――――――――――――― ―――――――――――――――
○ 500| |◎ 20
| |
※ 500万円=10株×50万円
20万円=10株× 2万円
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