公認会計士柴山政行によるビジネスマンのための決算書・財務分析入門

予定配賦（２級工業簿記）

予定配賦の概要

予定配賦は、事前に決めた基準に基づいて製造間接費を配分する方法。
実務で頻繁に使用される原価管理手法であり、試験対策にも重要。

予定配賦の目的

製造間接費を計画的に配分することで、予算管理が容易になり、原価管理を効率的に行うことができる。

予定配賦の基本概念

事前に「予定の製造間接費」を予算として設定。
その金額を基準操業度で割って「予定配賦率」を算出。
この配賦率を実際の操業時間に掛けて、製造間接費を各製品や部門に配分。

関連用語

「実際配賦」、「予定配賦費率」、「製造間接費」など。
配賦額と実際の製造間接費との間に差異が生じる場合、「原価差異」と呼び、これを「予算差異」と「操業度差異」に分類。

計算方法

予定製造間接費を基準操業度で割って予定配賦率を算出。
実際の操業時間にこの予定配賦率を掛けて、製造間接費を配分。

具体例

予定変動費率：1時間あたり700円、月間予定固定費：600,000円、基準操業度：500時間の場合、予定配賦率は1,900円（固定費1,200円 + 変動費700円）。
実際の操業時間に基づき、製品に配分する製造間接費を計算（例：No.10は399,000円、No.20は456,000円、合計855,000円）。

仕訳例

製造間接費 855,000円（貸方）、仕掛品 855,000円（借方）

重要性

予定配賦は原価計算において重要な役割を果たし、正確な原価管理を行うために欠かせない手法。
企業での実務利用に加え、試験でもよく出題されるため、しっかりと理解しておくことが大切。