ソフトバンクが売掛債権3800億円を売却?
ソフトバンクが、2015年3月期にスマホ事業などで生じた売掛債権3,800億円ほどを売却する見通しだそうです。
これは前期より15%の増加になるとか。
売掛債権の売却で得た資金は、新たな端末の仕入れなどに充当する予定のようですね。
もともと、ソフトバンクは積極的な企業買収を繰り返してきたという経緯もあり、有利子負債が急増しています。
具体的には、2013年3月期における有利子負債3兆7078億円だったのが、2014年3月期には9兆1700億円まで、約2.5倍にも膨れ上がっています。
ちなみに、2014年3月期の負債は13兆8263億円、純資産は2兆8586億円です。
これに対して、総資産が16兆6849億円ですから、自己資本比率(ここでは純資産÷総資産とします)を計算すると、17.1%という数値になり、他人事ながらやや心配になります。
ちなみに、2013年3月期の自己資本比率は純資産1兆9304億円÷総資産7兆2181億円=26.7%ですから、単純な数値上の比較としては、一年で10%近くも自己資本比率が下がっているわけですね。
これだけの負債を抱えると、さすがにちょっとした業績の下降で資金繰り等に与える影響はかなり甚大になるのではないか、と思うのですが…。
そういったこともあって、今般、売掛債権の売却額を増やそうという意図なのでしょう。
売掛債権は、簿記で言うところの売掛金です。
つまりは、売上代金の支払いを待ってあげている分ですね。
未回収の売上代金ということもできます。
ソフトバンクの事業性質上、分割払いの割賦債権もあるでしょうから、売掛債権の回収期間はけっこう長くなりやすいのではないでしょうか。
たとえば、2014年3月期の営業債権およびその他の債権は1兆6695億円です。
年間売上高が6兆6666億円(ぜんぶ6が並ぶとは、珍しいですね!)で、月次売上が平均で6兆6666億円÷12=5555.5億円です。
単純に売上債権等を月次売上高で割ると、1兆6695億円÷5555.5億円=3.0ヵ月になります。
3ヶ月は、やや長いかなーという感じです。
ともあれ、自己資本比率17%という水準は、一般の事業会社ならば、非常に心配な状況ですが、ソフトバンクくらい巨大な企業ともなると、なんともいえないところがありますね。
ただ、一般論として、負債が多い企業は、業績の成長スピードが鈍ると、非常に資金繰り的に厳しくなる傾向があります。
ソフトバンクが、もしも、このような一般論に当てはまるならば、やはり今後もそれなりのスピードで成長し続けていく必要があるのかな、と思いました。
白戸家のお父さん(白戸次郎)は、これからも全速力で走り続けていくことでしょう。
頑張れ!と思わず声援を送りたくなりますね。
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