イオンがマルエツとカスミを経営統合
イオンが食品スーパー事業を再編することになりそうです。
5月19日に、株式会社マルエツ・株式会社カスミ・イオン株式会社・丸紅株式会社は連名で次のような発表を行いました。
「首都圏におけるスーパーマーケット連合」の創設に関する合意(基本合意書締結)について
⇒ http://www.aeon.info/news/2014_1/pdf/140519R_2.pdf
具体的には、イオンが7割・丸紅が3割を出資して共同出資会社を設立し、そこから過半数の出資を行って持ち株会社を新設する、という話のようです。
この持ち株会社は、株式移転という手法を使って、カスミ・マルエツ・マックスバリュ関東(イオンの子会社)の3社を100%子会社とする予定です。
【基礎知識】株式移転
ある会社の株主が、保有する全ての株式を新たに設立する会社の株式と交換し、完全親子関係を創出する方法です。
たとえば、A社・B社のそれぞれの株主が、新しく設立される持ち株会社X社に対して持ち株を提供し、それと引き換えにX社の株式を受取って新たにX社の株主になる、という状況があります。
(設例)
A社(発行済み株式数100株、時価総額10億円)。
B社(発行済み株式数150株、時価総額15億円)。
新たに設立するX社は、合計5,000株(時価総額100億円)を発行するが、そのうち500株(10億円)をA社の株主(L氏)に、750株(15億円)をB社の株主(M氏)に、それぞれの株式と交換に引き渡す。
X社の発行株式5,000株(100億円)のうち、3,750株(75億円)は大手メーカーの甲社が出資し、親会社となる(持分75%)。
【状況分析】
1.株式移転前
A社(株式100株)→A社の株主(L氏)が所有
B社(株式150株)→B社の株主(M氏)が所有
2.株式移転後(X社は新設にあたり、5,000株を新規発行)
・甲社(大手メーカー。X社の親会社)=X社の株式を3,750株所有
3,750株(甲社が所有)
X社 L氏:500株所有。M氏:750株所有
X社の100%子会社
A社(株式100株)
B社(株式150株)
このように、持ち株会社を設立する方式の事業再編を「株式移転方式」といいます。
近年では、わりとメジャーな手法となってきていますね。
以前は銀行をはじめとして、いろいろな業種で事業再編の事例としてたびたび日経新聞などでも取り上げられてきましたが、長引くデフレで、一時はあまり大きな話題として出てきていませんでした。
ところが、ここ一年ほどのアベノミクスの効果などにより、株価が押し上げられてきたことなども、このような事業再編の後押しになったのかな、と考えることもできそうですね。
カスミといえば、茨城にいくと、よく見かけるスーパーという印象です。
今後、イオンの傘下に入ることで、どのように店舗展開やサービス内容が変わっていくのか、注目していきましょう。
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