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役員報酬と役員退職慰労金のP/L表示

企業の人件費には、大きく2種類あります。
1.役員に対する経営委任に基づく対価
2.従業員に対する労働サービスの対価
ここで、参考までに申し上げますと、役員と株式会社の関係と、
従業員と株式会社の関係は、法的に異なります。
◎役員(取締役、会計参与、監査役)および会計監査人と
 株式会社の関係…委任関係(会社法330条)
◎従業員と株式会社の関係…雇用関係
考え方としては、役員というのは、会社の経営を「委任された」
専門家、ということができますね。
さて、今回のテーマは、会社の人件費が、主に損益計算上、
どこに表示されるかについて検討することにあります。
まず、基礎知識として、従業員の給与や賞与については、
商業ならば「販売費及び一般管理費」、
製造業ならば「売上原価の一部」または「販売費及び一般管理費」
です。
                損益計算書   (単位:億円)  
      ―――――――――――――――――――――――――  
      1売  上  高             960   
 給与等→ 2売 上 原 価             660(?) 
 給与等→ 3販売費及び一般管理費          180(?) 
                 ――――――――――――――  
          営 業 利 益          120   
      4営 業 外 収 益              30   
      5営 業 外 費 用              54(?) 
                 ――――――――――――――  
          経 常 利 益           96   
      6特 別 利 益              10   
      7特 別 損 失              62(?) 
                 ――――――――――――――  
         税引前当期純利益           44   
         法人税、住民税及び事業税       20   
                 ――――――――――――――  
          当 期 純 利 益           24   
                 ==============


上記のように、2パターンの表示が、従業員の人件費の場合、
考えられます。
なお、従業員の退職金は、日本においては、
「在職中の賃金・給与の後払い」という見解を取るのが一般的なので
(賃金後払い説といいます)、やはり給与などと一緒に、
売上原価(製造業)または販売費及び一般管理費に含めて
表示されますね。
つぎに、役員に対する対価の支払いですが、これが、
役員報酬(給与に相当)と役員賞与と役員退職慰労金では、
従来、それぞれが異なった会計処理・表示の方法をとっていました。
                損益計算書   (単位:億円)  
      ―――――――――――――――――――――――――  
      1売  上  高             960   
      2売 上 原 価             660(?) 
役員報酬→ 3販売費及び一般管理費          180(?) 
                 ――――――――――――――  
          営 業 利 益          120   
      4営 業 外 収 益              30   
      5営 業 外 費 用              54(?) 
                 ――――――――――――――  
          経 常 利 益           96   
      6特 別 利 益              10   
退職慰労金→7特 別 損 失              62(?) 
                 ――――――――――――――  
         税引前当期純利益           44   
         法人税、住民税及び事業税       20   
                 ――――――――――――――  
          当 期 純 利 益           24   
                 ==============
                             :
役員賞与→       総会の利益処分項目      ▲××
…と、このように、定期支給の役員報酬は経営に関わる全般管理活動
に伴うコストとして「一般管理費」処理される一方で、役員退職時に
発生する多額の一時金支給額は、臨時の支出として、特別損失処理され
ることが多かったです。
また、役員賞与は、従来は配当などと同様に、利益の存在を前提に
分け前の分配みたいな考えに基づき、損益計算確定後の利益の事後
処理項目として扱われていました。
これが、2005年11月に公表された「役員賞与に関する会計基準」
により、会社法施行後の2006年5月以降、役員賞与も役員報酬と
同様に、発生した事業年度の費用として会計処理することが要請される
ようになりました。
                損益計算書   (単位:億円)  
      ―――――――――――――――――――――――――  
      1売  上  高             960   
      2売 上 原 価             660(?) 
 役員報酬→3販売費及び一般管理費          180(?) 
・役員賞与             ――――――――――――――  
          営 業 利 益          120   
      4営 業 外 収 益              30   
      5営 業 外 費 用              54(?) 
                 ――――――――――――――  
          経 常 利 益           96   
      6特 別 利 益              10   
退職慰労金→7特 別 損 失              62(?) 
                 ――――――――――――――  
         税引前当期純利益           44   
         法人税、住民税及び事業税       20   
                 ――――――――――――――  
          当 期 純 利 益           24   
                 ==============
                             
この、役員賞与に関する会計処理の変化は、昨今多くの企業で見られる
ようになった、業績連動型の役員報酬に経済的実質面で同様に理解する
ことができることが背景にあります。
今年の中間決算においては、役員賞与がはじめて費用処理されることに
なり、前年同期比における営業利益以下の変動値算定に、影響が出る会
社も現われるかもしれませんね。
いちおう、頭の片隅に入れておきたい論点です。
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