営業利益の意味
決算書は、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つが
基本ですね。
これらは、「決算三表」とも呼ばれています。
今回は、上記決算三表の中でも、損益計算書に関する基礎知識です。
損益計算書は、売上高を一番上に記載し、そこから下の費用項目を
引いたり、売上高以外の収益(儲け)を足したりして、だんだんと
下に向かって利益を計算していく表です。
<損益計算書の記載例>
損益計算書 (単位:億円)
―――――――――――――――――――
売 上 高 100
売 上 原 価 64(-)
―――
売上総利益 36 ←(粗利、付加価値)
販売費および一般管理費 30(-)
―――
営業利益 6 ←(本業の成果)
: :
上記の記載例で、一番上の「売上高」は、もちろん顧客に
引き渡した商品の「販売高」ですね(100億円)。
つぎに、顧客に引き渡した商品の仕入値段、つまり仕入原価が
記載されます(64億円)。
「売上」げた商品の「(仕入)原価」という意味で、
「売上原価」と呼ばれています。
売上高から売上原価を引くと、その商品の粗利が出ます。
これを、「売上総利益」といいます。
まあ、その商品の原価に付加された価値、ということもできます。
…ここまではよろしいでしょうか。
つぎに、商品の粗利から、従業員の給料とか、広告宣伝費とか、
交際費とか、水道光熱費などの、いわゆる「必要経費」をさしひくと、
「営業利益」という、本業に関する活動から得られる成果
としての利益が計算できます。
※ちなみに、営業活動に必要な経費のことを、「販売費及び一般管理費」
といいます。ご参考まで。
上記の例では、商品の仕入原価に付加された粗利36億円から、
必要経費である30億円をさらに控除し、6億円という営業利益が
求められましたね。
なお、営業利益の額6億円を売上高100億円で割ると、その割合は
6%となります。
これを、売上高営業利益率といい、会社の本業における収益力を
もっともストレートに表示する、非常に重要な財務分析指標と
なります。
しっかりと、計算の仕方を覚えておきましょう。
ご参考までに、平均的な企業の営業利益は、だいたい4?5%くらい
ですね。
いつも2%以下だと、業種の特殊性を抜きに考えれば、
やや危ない兆候です。
反対に、8%を超えたら、なかなか優秀な会社です。
会社の判断材料として、ご活用ください。
このように、営業利益というのは、その会社の本業における
実力をはっきりと映し出すので、入門の人でも非常にわかりやすい
便利な財務指標です。
ぜひぜひ、ご興味のある会社の営業利益をチェックしてみてください!
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