試用販売1(対照勘定法)
試用販売とは顧客に、試用期間(お試し期間)を設けて、商品を送り、
後日、買取りの意思を示してもらう販売形態のこと。
今回は対照勘定法を用いた仕訳を勉強します。
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lesson.09
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2005.08.10
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<仕訳28> 試用販売1(対照勘定法) [★★]
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※《試用販売》とは …
顧客に、試用期間(お試し期間)を設けて、商品を送り、
後日、買取りの意思を示してもらう販売形態のこと。
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《試用販売》では、顧客から‘買取りの意思を受けた時’に「売上」として、
収益計上します。 また、買取らない場合は、返品してもらいます。
まずは、試用販売の【対照勘定法】から学習していきましょう。
(【対照勘定法】は、2級の試験ではよく出ます!)
*【対照勘定法】は、前回の《割賦販売》で学習いたしましたね。
《割賦販売》の場合と同じような考え方でOKです。
【対照勘定法】
●仕訳1 試用販売のため、顧客に、商品を‘発送’した時
1.(借)試用 販売 契約 ×× (貸)試 用 仮 売 上 ××(売価)
――――――― ―――――――
↑ ↑
* ほかに、 * ほかに、
「試用販売売掛金」勘定や 「試用販売」を
「試用販売未収金」勘定を 用いることもある。
用いることもある。 (問題文の指示に従うこと)
(問題文の指示に従うこと)
・【対照勘定法】では、発送時には「売上」として計上しません。
・借方を「試用販売契約」、貸方を「試用仮売上」とし、‘売価’で記帳
します。 ――
(この仕訳は、顧客に、発送した商品があることを忘れないように、
備忘として記録しておく。)
●仕訳2 顧客から買取りの意思を受けた時[★★]
2.(借)売 掛 金 ×× (貸)試 用 品 売 上 ××(売価)
試 用 仮 売 上 ×× 試用 販売 契約 ××(売価)
・顧客から買取りの意思を受けた時に、「試用品売上」として
売上計上します。
・この時はまだ、買取り意思を受けただけで、代金未入金のため、
借方は「売掛金」とします。
・また、2行目の仕訳は、‘発送時’の仕訳1を反対仕訳し、
備忘記録を取り消します。
●仕訳3 顧客から商品が返品された時
3.(借)試 用 仮 売 上 ×× (貸)試用 販売 契約 ××(売価)
・‘発送時’の仕訳1を反対仕訳し、備忘記録を取り消します。
【練習】::::::::::::::::::::::::::::::
対照勘定法で仕訳しなさい。なお、勘定科目は以下より選ぶこと。
[ 売掛金,試用販売,試用販売売掛金,試用品売上 ]
(1)売価200万円の商品を、試用販売のため発送した。
(2)上記の商品のうち、売価150万円分につき、買取意思があった。
(3)(1)の商品のうち売価10万円分が返品され、戻ってきた。
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【答え】単位:万円
(1)(借)試用販売売掛金 200 (貸)試 用 販 売 200
(2)(借)売 掛 金 150 (貸)試 用 品 売 上 150
試 用 販 売 150 試用販売売掛金 150
(3)(借)試 用 販 売 10 (貸)試用販売売掛金 10
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