未渡小切手
たとえば、買掛金の支払いのために小切手を用意し、これに金額記入と
署名・押印などをしたとしましょう。
この段階 で、小切手を発行し、相手に渡すつもりでいるので、
簿記上は、「仕訳:(借)買 掛 金 ××(貸)当座預金 ×× 」という
仕訳を行っています。
しかし、先方(取引相手)が、予定通りにその小切手を取りに来なかったら、
小切手は用意したものの、未渡しの状態となってしまいます。
そのときの仕訳を学習します。
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lesson.01
★ 5分で完結!中学生でもわかる簿記入門 ★(読者2290人)
2005.06.15
関連HP https://bokikaikei.net/ [毎週 水曜日]
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【CONTENTS】
◇ 本メルマガ内容
◆ 本日の学習内容
仕訳1 未渡小切手
仕訳2 建設仮勘定
仕訳3 修繕支出
※ 図が見にくい方は、画面の表示を「等幅フォント」でご覧下さい。
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◇ メルマガ内容
本メルマガ『5分で完結!中学生でもわかる簿記入門』は、
毎週、水曜日の発行となります。
日商2級・商業簿記の基本的な仕訳をご紹介していきます。
「検定試験までに、約70個強の重要仕訳を厳選し、ご紹介する」
というコンセプトで創刊していきます。
だいたいこれで、2級の試験によく出る、基本仕訳の8割以上は
カバーできると考えています。
普段の学習のペースメーカーとして、あるいは知識の補充として、
どうぞご活用下さい!
なお、1つの<仕訳項目>について、約5分をめどに構成しています。
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※ 図が見にくい方は、「等幅フォント」でご覧下さい。 _(・ω・)
◆ 本日の学習内容
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<仕訳1> 未渡小切手(みわたしこぎって)
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たとえば、買掛金の支払いのために小切手を用意し、これに金額記入と
署名・押印などをしたとしましょう。
この段階 で、小切手を発行し、相手に渡すつもりでいるので、
簿記上は、「仕訳:(借)買 掛 金 ××(貸)当座預金 ×× 」という
仕訳を行っています。
しかし、先方(取引相手)が、予定通りにその小切手を取りに来なかったら、
小切手は用意したものの、未渡しの状態となってしまいます。
その場合、上記の「当座預金」減少の仕訳は、今日の時点では間違いとなり
ますので、反対仕訳をして、「当座預金」を増加させ、元の額に戻します。
※未渡し小切手の仕訳(買掛金支払のために振り出した場合)
(借)当 座 預 金 ×× (貸)買 掛 金 ××
【練習】:::::::::::::::::::::::::::::::
広告費支払の為に振り出していた10万円の小切手が、本日未渡し
となったため、当座預金の減少を取り消す仕訳を行った。
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【答え】単位:万円
(借)当 座 預 金 10 (貸)未 払 金 10
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※ 小切手の振り出し時に、次のような仕訳を行っていました。
(借)広 告 費 10 (貸)当 座 預 金 10
上記の仕訳のうち、当座預金の減少を取り消すことになりますが、
広告費自体は発生済みで取り消せません。
費用の取り消しの場合は、「未払金」で処理します。
よって、【答え】の通りとなります。
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※「未渡小切手」は『銀行勘定調整表』という学習項目の一部の仕訳です。
他に、
時間外預入、未取立小切手(みとりたて…)、未取付小切手(みとりつけ…)
連絡未通知、などがあります。
過去13回の試験では、大きな得点源としての出題はされていませんので、
本メルマガでは、「未渡小切手」のみを扱います。
しかし、昨年11月の試験でほんの一部分、出題されたこともありますので、
ご自分のテキストで、一通り学習しておくと良いでしょう。
(ちなみに、実務では、頻繁に起こる項目です。)
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- 立替金(3級・2級商業簿記)
立替金の定義 立替金とは、誰かのために一時的に支払った代金で、後日精算されるもの。 よく関連語句として「給料」がセットで出てくる。 立替金の概念 例:従業員の個人的な支出や取引先の負担すべき広告費などを、一時的に立て替えて支払う。 支払った金額は「将来返してもらう予定のお金」として資産に計上される。 立替金は「立替金の請求権」として扱われ、資産勘定に計上。 簿記の問題での立替金 給与支給時に従業員に対する立替金を相殺する処理が出題されることがある。 立替金の処理について理解しておくことが重要。 具体的な取引例 例:従業員の頼みで、個人的な支出65,000円を立て替え、現金で支払う。 仕訳: 借方:立替金 65,000円 貸方:現金 - 前払金(3級・2級商業簿記)
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配賦差異の重要性 2級工業簿記で非常に重要な概念。 製造間接費を予定配賦や標準原価計算で計算する際に生じる差異。 試験対策として配賦差異の理解は必須。 配賦差異の定義 配賦差異は、製造間接費の予定配賦額(正常配賦額)と実際発生額との差額。 この差異の把握は、原価管理やコスト管理において重要。 関連用語 「実際配賦」、「予定配賦率」、「製造間接費」、「部門費」など。 配賦差異には「予算差異」と「操業度差異」の2種類がある。 配賦差異の計算方法 予定(正常)配賦額 = 予定(正常)配賦率 × 実際操業度。 実際発生額との差額が配賦差異。 差異の処理方法 実際発生額が予定額を上回る場合、追加コストとして借方差異(不利差異)。 実際発生額が予定額を下回る場合、コスト節約として貸方差異(有利差異)。 - 手形貸付金・借入金(3級・2級商業簿記)
手形貸付金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる貸付債権。 資産に分類される。 手形を使わない場合は、「貸付金」 手形借入金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる借入債務。 負債に分類される。 手形を使わない場合は、「借入金」 仕訳例 資金を貸し付ける場合:「手形貸付金」 資金を借り入れる場合:「手形借入金」 具体例 200万円を借り入れ、約束手形を発行し当座預金に入金された場合: 借方:当座預金 + 2,000,000円 貸方:手形借入金 + 2,000,000円 総勘定元帳への転記 資産:「当座預金 + 2,000,000円」 負債:「手形借入金 + 2,000,000円」 - 仮払金(3級・2級商業簿記)
仮払金の重要性 実務および試験対策において重要な科目。 簿記3級以上で出題され、2級、1級、会計士、税理士の試験にも登場する。 仮払金の分類 資産勘定に分類される。 実際の支出金額や内容が未確定な場合に使用する。 仮払金の定義 支出金額や内容が確定していない場合に一時的に支払う際に使用する勘定科目。 支出内容が確定した時点で精算処理を行い、仮払金は解消される。 短期間で精算されることが前提。 関連する勘定科目 現金や仮受金(負債)などが関連する。 実務での使用例 例: 出張費が確定しない場合、社員に2,000円を仮払金として渡し、実際の費用が確定した後に精算する。 例: 交通費が1,700円だった場合、差額の300円を返金して仮払金を精算。