固定資産の期中売却
会社が固定資産を売却するのは、期の途中の場合が多いです。
とするならば、期首から、売却時までの使用期間に見合った価値減少分を
月割りで見積もり計算し、「(借方)減価償却費」として、計上する必要が
出てくるわけです。
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lesson.065
★ 5分で完結!小学生でもわかる簿記入門 ★
(読者数3703人) 2004.10.22
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【CONTENTS】
○ 固定資産の期中売却
(※図が見にくい方は、等幅フォントまたはMSゴシックでご覧下さい)
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○ 固定資産の期中売却
間接法で減価償却の仕訳を行っている場合、売却の仕訳は次のようになります。
(1)売却の仕訳(期首または期末に売却;売却益)
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(借)現金(未収金) ××× (貸)備 品 な ど ×××
減価償却累計額 期首残高 固定資産売却益 ×××
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(2)売却の仕訳(期首または期末に売却;売却損)
===============================
(借)現金(未収金) ××× (貸)備 品 な ど ×××
減価償却累計額 期首残高
固定資産売却損 ×××
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ここで、現実の企業活動を考えてみましょう。
実際には、会社が固定資産を売却するのは、期の途中の場合が多いです。
とするならば、期首から、売却時までの使用期間に見合った価値減少分を
月割りで見積もり計算し、「(借方)減価償却費」として、計上する必要が
出てくるわけです。
(3)期中売却の仕訳(売却益)
===============================
(借)現金(未収金) ××× (貸)備 品 な ど ×××
減価償却累計額 期首残高 固定資産売却益 ×××
減 価 償 却 費 (当期分)
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(4)期中売却の仕訳(売却損)
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(借)現金(未収金) ××× (貸)備 品 な ど ×××
減価償却累計額 期首残高
減 価 償 却 費 (当期分)
固定資産売却損 ×××
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◆ 練習問題
次の取引を、仕訳・転記しましょう。
C社の、前期末(3/31)の備品勘定残高は、6000万円である。
また、減価償却累計額勘定の残高は、3600万円である。
この備品を、当期の途中(7/31)に、1000万円で売却し、
当座預金に入金した。
なお、当該備品の減価償却方法は、耐用年数6年、残存価額:取得原価
の10%、定額法である。
【解答用紙】単位:万円
<仕訳帳>
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(借) (貸)
――――――――――――――――――――――――――――――
<総勘定元帳の一部>
――――――――――――――――――――――――――――――――
+ 当座預金
―――――――――――――――
7/31 |
|
+ 備 品
―――――――――――――――
・前提 6000|7/31
・ |
・・・・・・・・・
+ 減価償却累計額
―――――――――――――――
7/31 | 3600・
| ・
・・・・・・・・・
+ 減価償却費
―――――――――――――――
7/31 |
|
+ 固定資産売却損
―――――――――――――――
7/31 |
|
―――――――――――――――――――――――――――――――――
【模範解答】単位:万円
<仕訳帳>
――――――――――――――――――――――――――――――
(借)当 座 預 金 1000(貸)備 品 6000
減価償却累計額 3600
減 価 償 却 費 300
固定資産売却損 1100
――――――――――――――――――――――――――――――
※ 当期首から、売却時までの減価償却費300の計算式
→ (6000 600)÷6年×(4/12)ヵ月
※ 固定資産売却損 差額で求める。
<総勘定元帳の一部>
――――――――――――――――――――――――――――――――
+ 当座預金
―――――――――――――――
7/31 1000|
|
+ 備 品
―――――――――――――――
・前提 6000|7/31 6000
・ |
・・・・・・・・・
+ 減価償却累計額
―――――――――――――――
7/31 3600| 3600・
| ・
・・・・・・・・・
+ 減価償却費
―――――――――――――――
7/31 300|
|
+ 固定資産売却損
―――――――――――――――
7/31 1100|
|
―――――――――――――――――――――――――――――――――
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立替金(3級・2級商業簿記)
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「前払金」の定義 商品などを注文した際に、品物を受け取る前に支払った手付金や内金のこと。 支払いに関連する勘定科目として「前払金」が使用される。 関連する用語:商品の仕入れなど。 「前払金」の概念 契約や注文が成立した際、手付金を支払うことが一般的。 支払った時点では品物の受け取りが確定していないため、「一時的に相手に預けているお金」として扱う。 支払った金額は資産勘定に計上され、将来的に商品を受け取る権利を持つと考えられる。 「前払金」の特性 仕入れや費用として確定しているわけではない。 目的の品物が手に入らなければ、支払った金額を返金してもらうこともある。 「前渡金」という用語も同義で使用されることがある。 取引例配賦差異(2級工業簿記)
配賦差異の重要性 2級工業簿記で非常に重要な概念。 製造間接費を予定配賦や標準原価計算で計算する際に生じる差異。 試験対策として配賦差異の理解は必須。 配賦差異の定義 配賦差異は、製造間接費の予定配賦額(正常配賦額)と実際発生額との差額。 この差異の把握は、原価管理やコスト管理において重要。 関連用語 「実際配賦」、「予定配賦率」、「製造間接費」、「部門費」など。 配賦差異には「予算差異」と「操業度差異」の2種類がある。 配賦差異の計算方法 予定(正常)配賦額 = 予定(正常)配賦率 × 実際操業度。 実際発生額との差額が配賦差異。 差異の処理方法 実際発生額が予定額を上回る場合、追加コストとして借方差異(不利差異)。 実際発生額が予定額を下回る場合、コスト節約として貸方差異(有利差異)。手形貸付金・借入金(3級・2級商業簿記)
手形貸付金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる貸付債権。 資産に分類される。 手形を使わない場合は、「貸付金」 手形借入金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる借入債務。 負債に分類される。 手形を使わない場合は、「借入金」 仕訳例 資金を貸し付ける場合:「手形貸付金」 資金を借り入れる場合:「手形借入金」 具体例 200万円を借り入れ、約束手形を発行し当座預金に入金された場合: 借方:当座預金 + 2,000,000円 貸方:手形借入金 + 2,000,000円 総勘定元帳への転記 資産:「当座預金 + 2,000,000円」 負債:「手形借入金 + 2,000,000円」仮払金(3級・2級商業簿記)
仮払金の重要性 実務および試験対策において重要な科目。 簿記3級以上で出題され、2級、1級、会計士、税理士の試験にも登場する。 仮払金の分類 資産勘定に分類される。 実際の支出金額や内容が未確定な場合に使用する。 仮払金の定義 支出金額や内容が確定していない場合に一時的に支払う際に使用する勘定科目。 支出内容が確定した時点で精算処理を行い、仮払金は解消される。 短期間で精算されることが前提。 関連する勘定科目 現金や仮受金(負債)などが関連する。 実務での使用例 例: 出張費が確定しない場合、社員に2,000円を仮払金として渡し、実際の費用が確定した後に精算する。 例: 交通費が1,700円だった場合、差額の300円を返金して仮払金を精算。