(取引その1 その3)現金の増加取引に関するまとめ。● 仕訳、という記帳技術
今回は、「現金が増える」シリーズのまとめ編です。
現金が増えるパターンは、次の3つでしたね。
パターン1 銀行からの借入れ
パターン2 店主からの元入れ
パターン3 お客からの受取り(これが、儲けとなる)
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lesson.005
★ 5分でわかる!使える!!簿記講座 ★
2004.06.02
(月・水・金の午前中配信)
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【CONTENTS】
○ (取引その1 その3)現金の増加取引に関するまとめ。
● 仕訳、という記帳技術
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みなさん、こんにちは!
今回は、「現金が増える」シリーズのまとめ編です。
現金が増えるパターンは、次の3つでしたね。
パターン1 銀行からの借入れ
パターン2 店主からの元入れ
パターン3 お客からの受取り(これが、儲けとなる)
以上、これまでに学習した現金増加の記帳を、さらに、つきすすめて
勉強していきましょう!
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○ 取引その1 その3)現金の増加取引に関するまとめ。
次の取引を、総勘定元帳に記入してみましょう。
取引1 現金200万円を、銀行から借り入れた。
2 300万円の現金を、店主が元入れした。
3 400万円を売り上げ、現金を受け取った。
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* *
* ― 総 勘 定 元 帳 ― *
* *
* * ↑
* (入) 現 金 借入金 (発生) *
* *
* 1( )| |1( ) *
* | | * 財
* 2( )| *
* | *
* 3( )| 資本金 (発生) * 産
* *
* |2( ) *
* | *
* * ↓
*――――――――――――――――――――――――――――――*――
* 売 上 (発生) * ↑
* * 儲
* |3( ) *
* | * け
* * ↓
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
(こたえ)
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* *
* ― 総 勘 定 元 帳 ― *
* *
* * ↑
* (入) 現 金 借入金 (発生) *
* *
* 1(200)| |1(200) *
* | | * 財
* 2(300)| *
* | *
* 3(400)| 資本金 (発生) * 産
* *
* |2(300) *
* | *
* * ↓
*――――――――――――――――――――――――――――――*――
* 売 上 (発生) * ↑
* * 儲
* |3(400) *
* | * け
* * ↓
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
ここまでの基本的な手続きは、ずいぶんと身についたことでしょう。
☆さて、ここでよく考えてみてください。
上記のような「総勘定元帳」を、もしパソコンの画面で表示したら、
どうでしょうか。
まだ、勘定科目数が4つだからいいですが、これが40個だったら?
とても、画面には収まりませんね。
つまり、総勘定元帳は、すべての勘定科目を集計・分類するには非常に
便利なのですが、いかんせん、スペースをとります。
したがって、みなさんが取引をパソコンの会計ソフトに入力するさい、
総勘定元帳のフォームでは、大きすぎて、画面に収まらない、という
不都合があるんですね。
☆そこで!スペースを少ししか使わずに、取引を入力する帳簿が必要
となります。
ジャーン!その名も、「仕訳帳」です。
● 仕訳、という記帳技術
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* *
* 仕 訳 帳 *
* *
* ―――――――――――――――――――――――――――― *
* | : | *
* |(左側) :(右側) | *
* | : | *
* ―――――――――――――――――――――――――――― *
* ↑ ↑ *
* 「現金の増加」 「その原因」 *
* *
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上記のように、横に細長い帯のような入力画面をイメージして
みてください。
取引を、「財産の増加(減少)」と、「その原因」に分解したら、
財産の増加を左側に記入し、その右側の空いたスペースへは、原因を
簡潔に記入します。このように、取引の2要素を、左と右に横一行で
カンタンに表現する書き方を、「仕訳」といいます。
簿記の学習上は、総勘定元帳への記入と同じぐらい大事ですから、
毎日、少しずつ書く練習をして、しっかりと身に着けてください。
☆現金200万円を借り入れた、という取引の仕訳例☆
ステップ1 ⇒パソコンの入力画面(仕訳帳)に、取引を入力する。
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* *
* 仕 訳 帳 *
* *
* ――――――――――――――――――――――――――― *
* | : | *
* |(左側)現 金 200 :(右側)借 入 金 200 | *
* | : | *
* ――――――――――――――――――――――――――― *
* ↑ ↑ *
* 「現金の増加」 「その原因」 *
* *
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「現金」勘定の左側 「借入金」勘定の右側
(入)へ、自動的に (発生)へ、自動的に
転送される! 転送される!
/ /
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* *
* ― 総 勘 定 元 帳 ― *
* *
* * ↑
* (入) 現 金 借入金 (発生) *
* *
* 200 | | 200 *
* | | * 財
* | *
* | *
* | 資本金 (発生) * 産
* *
* | *
* | *
* * ↓
*――――――――――――――――――――――――――――――*――
* 売 上 (発生) * ↑
* * 儲
* | *
* | * け
* * ↓
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
ステップ2 ⇒仕訳の内容を、総勘定元帳に転送する。
なお、パソコン会計では、仕訳帳の入力内容は自動的に総勘定元帳へと
転送されますが、簿記を勉強する時は、まず、「手書きの帳簿」を想定す
ると、しっかり頭に入ります。
手書きの簿記手続きでは、仕訳帳から総勘定元帳への数字転送は、
自分の手で書き写します。
仕訳帳の内容を、総勘定元帳に書き写すことを、「転記」といいます。
今日は、たくさんの専門用語が出てきて疲れたことでしょう。
とりあえず、このへんで今回の講義は修了としましょう。
仕訳と転記の練習は、次回のお楽しみ(?)ということで!
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立替金(3級・2級商業簿記)
立替金の定義 立替金とは、誰かのために一時的に支払った代金で、後日精算されるもの。 よく関連語句として「給料」がセットで出てくる。 立替金の概念 例:従業員の個人的な支出や取引先の負担すべき広告費などを、一時的に立て替えて支払う。 支払った金額は「将来返してもらう予定のお金」として資産に計上される。 立替金は「立替金の請求権」として扱われ、資産勘定に計上。 簿記の問題での立替金 給与支給時に従業員に対する立替金を相殺する処理が出題されることがある。 立替金の処理について理解しておくことが重要。 具体的な取引例 例:従業員の頼みで、個人的な支出65,000円を立て替え、現金で支払う。 仕訳: 借方:立替金 65,000円 貸方:現金前払金(3級・2級商業簿記)
「前払金」の定義 商品などを注文した際に、品物を受け取る前に支払った手付金や内金のこと。 支払いに関連する勘定科目として「前払金」が使用される。 関連する用語:商品の仕入れなど。 「前払金」の概念 契約や注文が成立した際、手付金を支払うことが一般的。 支払った時点では品物の受け取りが確定していないため、「一時的に相手に預けているお金」として扱う。 支払った金額は資産勘定に計上され、将来的に商品を受け取る権利を持つと考えられる。 「前払金」の特性 仕入れや費用として確定しているわけではない。 目的の品物が手に入らなければ、支払った金額を返金してもらうこともある。 「前渡金」という用語も同義で使用されることがある。 取引例配賦差異(2級工業簿記)
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手形貸付金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる貸付債権。 資産に分類される。 手形を使わない場合は、「貸付金」 手形借入金 借用証書の代わりに約束手形を使って行われる借入債務。 負債に分類される。 手形を使わない場合は、「借入金」 仕訳例 資金を貸し付ける場合:「手形貸付金」 資金を借り入れる場合:「手形借入金」 具体例 200万円を借り入れ、約束手形を発行し当座預金に入金された場合: 借方:当座預金 + 2,000,000円 貸方:手形借入金 + 2,000,000円 総勘定元帳への転記 資産:「当座預金 + 2,000,000円」 負債:「手形借入金 + 2,000,000円」仮払金(3級・2級商業簿記)
仮払金の重要性 実務および試験対策において重要な科目。 簿記3級以上で出題され、2級、1級、会計士、税理士の試験にも登場する。 仮払金の分類 資産勘定に分類される。 実際の支出金額や内容が未確定な場合に使用する。 仮払金の定義 支出金額や内容が確定していない場合に一時的に支払う際に使用する勘定科目。 支出内容が確定した時点で精算処理を行い、仮払金は解消される。 短期間で精算されることが前提。 関連する勘定科目 現金や仮受金(負債)などが関連する。 実務での使用例 例: 出張費が確定しない場合、社員に2,000円を仮払金として渡し、実際の費用が確定した後に精算する。 例: 交通費が1,700円だった場合、差額の300円を返金して仮払金を精算。