社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録
社債権者の請求による社債原簿記載事項の記載又は記録
第六百九十一条 社債を社債発行会社以外の者から取得した者(当該社債発行会社を除く。)は、当該社債発行会社に対し、当該社債に係る社債原簿記載事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した社債の社債権者として社債原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。
3 前二項の規定は、無記名社債については、適用しない。
社債券を発行する場合の社債の質入れ
第六百九十二条 社債券を発行する旨の定めがある社債の質入れは、当該社債に係る社債券を交付しなければ、その効力を生じない。
社債の質入れの対抗要件
第六百九十三条 社債の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載し、又は記録しなければ、社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の規定にかかわらず、社債券を発行する旨の定めがある社債の質権者は、継続して当該社債に係る社債券を占有しなければ、その質権をもって社債発行会社その他の第三者に対抗することができない。
質権に関する社債原簿の記載等
第六百九十四条 社債に質権を設定した者は、社債発行会社に対し、次に掲げる事項を社債原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。
一 質権者の氏名又は名称及び住所
二 質権の目的である社債
2 前項の規定は、社債券を発行する旨の定めがある場合には、適用しない。
質権に関する社債原簿の記載事項を記載した書面の交付等
第六百九十五条 前条第一項各号に掲げる事項が社債原簿に記載され、又は記録された質権者は、社債発行会社に対し、当該質権者についての社債原簿に記載され、若しくは記録された同項各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。
2 前項の書面には、社債発行会社の代表者が署名し、又は記名押印しなければならない。
3 第一項の電磁的記録には、社債発行会社の代表者が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
社債券の発行
第六百九十六条 社債発行会社は、社債券を発行する旨の定めがある社債を発行した日以後遅滞なく、当該社債に係る社債券を発行しなければならない。
社債券の記載事項
第六百九十七条 社債券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、社債発行会社の代表者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
一 社債発行会社の商号
二 当該社債券に係る社債の金額
三 当該社債券に係る社債の種類
2 社債券には、利札を付することができる。
記名式と無記名式との間の転換
第六百九十八条 社債券が発行されている社債の社債権者は、第六百七十六条第七号に掲げる事項についての定めによりすることができないこととされている場合を除き、いつでも、その記名式の社債券を無記名式とし、又はその無記名式の社債券を記名式とすることを請求することができる。
社債券の喪失
第六百九十九条 社債券は、非訟事件手続法第百四十二条 に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。
2 社債券を喪失した者は、非訟事件手続法第百四十八条第一項 に規定する除権決定を得た後でなければ、その再発行を請求することができない。
利札が欠けている場合における社債の償還
第七百条 社債発行会社は、社債券が発行されている社債をその償還の期限前に償還する場合において、これに付された利札が欠けているときは、当該利札に表示される社債の利息の請求権の額を償還額から控除しなければならない。ただし、当該請求権が弁済期にある場合は、この限りでない。
2 前項の利札の所持人は、いつでも、社債発行会社に対し、これと引換えに同項の規定により控除しなければならない額の支払を請求することができる。
社債の償還請求権等の消滅時効
第七百一条 社債の償還請求権は、十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
2 社債の利息の請求権及び前条第二項の規定による請求権は、五年間行使しないときは、時効によって消滅する。
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