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健康保険料率が平均8.8%で過去最高に?

大企業の従業員が入る健康保険組合が保険料を引き上げているそうです。
2014年度の保険料率が平均8.8%となり、過去最高を更新するという、家計にとっても大変なニュースです。
消費増税に保険料アップと、世の中はどれだけ家計を圧迫すれば気が済むのか、日本をデフレ地獄に叩き落としたい勢力がどこかにいるのでは?
と勘ぐってしまいたくなりますね。
平均寿命が伸びれば伸びるほど、社会保障に余計な支出がかかり、若年層に負担を強いる…皮肉なものです。
ちょっと昔のデータを引っ張り出してみましょう。
年金の話です。
昭和16年(1941年)に労働者保険法が制定され、翌年施行されました。
現在の厚生年金法の前身です。
その後、昭和19年(1944年)に適用対象が拡大され、男女ともに55歳から支給開始となります。
いろいろな見方がありますが、一つには、当時の日本人の平均寿命を考慮すると、戦時中の財源作りに利用したのかな、という印象を受ける方もいらっしゃるのではないかと思います。
そこで、日本人のこのころの平均寿命を見てみましょう。
昭和10年-11年 男46.92歳、女49.63歳
昭和22年 男50.06歳、女53.96歳
なお、2012年の日本人の平均寿命は女性が86.41歳、男性が79.94歳
だそうで、今より30年ほども短かった時代で支給開始が55歳です。
今の支給開始65歳と10歳しか違わないというべきなのか、10歳も上がったじゃないかと考えるのかは、みなさんの判断にお任せしますが…
65歳支給開始から平均年齢まで仮にみなさんが生きたとしたら、男性ベースでも80歳ですから、25年間、その方の生活費を若年層がデフレ下の賃金からやしない続ける、という現状はかなりシビアですね?。
健康保険も年金は、制度こそ違え、根っこは同じです。
ちなみに、Wikipediaより、「年金」の歴史に関する一部記述を引用し、その辺の事情をいっしょに考えてみたいと思います。
民間労働者の年金は、1939年(昭和14年)に船員保険の年金保険が公布され、そして厚生省の設置や国民健康保険法の制定など社会保障政策を進めいていた当時の近衛内閣で厚生省官僚だった花澤武夫らによりナチス・ドイツの年金制度を範として労働者年金保険法(1944年(昭和19年)に適用対象を拡大し、「厚生年金保険」に改称)を1941年3月11日に公布、1942年(昭和17年)6月に施行した。
導入の際には戦時中ということで大蔵省及び大日本帝国陸軍から反対が
あったものの、支払いは数十年先のことであり、当面は戦費調達を目的として日本の国民皆年金制度は始まった。
(Wikipedia「年金(年金制度の歴史)」より一部引用)
先のことは、数十年後から先のみなさんになんとかしてもらいましょう、
という感じでしょうか。
バトンを受けた人たちが、なんとか出来ていないような気がしますが…。
当時の「今(戦中)の逼迫した財政をなんとかしなきゃ!」という悲痛さが行間から垣間見えます。
戦時中はかなり混乱していたでしょうから、制度設計なども十分に検討して…なんていうことはむずかしかったかもしれません。
しかし、今の状況はねえ…。
というわけで、今後も社会保険料(年金・健康保険)の負担はおそらく上がり続けるでしょう。
お年寄りの方々にとっては、ご自身のお子さん、お孫さんが今後、ますます家計を削ってみなさんの医療費と生活費を捻出することになります。
さて、その現役世代と会社で、だいたい折半するこの社会保険料、会計上はどのように処理されるのか。
(取引1)
25日の給料日に、従業員に給料40万円を支払うが、そのさい、社会保険料10万円がかかり、その半分の5万円を従業員の給与から天引きして支払った。
(借方)給料 40万円   (貸方) 預り金 5万円
     現金 35万円
(取引2)
翌月、従業員からの預かり分5万円と会社負担分5万円と合わせて、社会保険料10万円を支払った。
(借方)預り金  5万円 (貸方) 現金 10万円
     法定福利費 5万円
この場合、法定福利費5万円が、会社の損益計算書において、「販売費及び一般管理費」という表示区分に含まれます。
なお、製造業における工場の従業員にかかる法定福利費は、「労務費」というかたちで製造原価(販売したら売上原価)に含められます。
製造現場で働く従業員の社会保険料と本社や営業部署で働く従業員の社会保険料の費用処理方法に違いがある、ということをこの機会に知っておきましょう。
以上、健康保険料負担が過去最高になっているという話題と、社会保険料の会計処理に関するお話でした。

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