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サントリーがアメリカ蒸留酒大手のビーム社を買収

サントリーホールディングスは、1月13日に
「サントリーホールディングス(株)によるビーム社買収について」
というタイトルで、ニュースリリースを行いました。
→ http://www.suntory.co.jp/news/2014/11942.html
その一部を、引用のうえご紹介いたします。
サントリーホールディングス株式会社(以下、サントリー)(本社:大阪府大阪市、社長:佐治信忠)とビーム社(Beam Inc.)(NYSE:BEAM)(本社:アメリカ、イリノイ州 ディアフィールド、CEO:マット・シャトック)は、1月12日(日)(アメリカ東部時間)、サントリーがビーム社の全発行済株式を1株あたり83.5ドル※1、総額160億ドル※2で取得し、買収することについて最終合意しました。
本取引は、両社の取締役会における全会一致の承認を得ており、今後ビーム社の株主ならびに規制当局の承認およびその他必要な手続きを終了後、完了する予定です。
現在、サントリーは日本国内でビーム社商品を、ビーム社はシンガポールをはじめとした東南アジアでサントリー商品を販売するなど、両社は日本国内外で非常に良好な関係を築いています。
ビーム社とサントリーのスピリッツ事業をあわせた売上高は、43億ドル※3を超え、世界のプレミアムスピリッツ市場において第3位※4のポジションを築くことになります。

以下、省略
日本円にして、1兆6500億円もの大型買収です。
世界的に見ても、かなりの大規模なM&A案件であることがわかります。
日本でこれほどの大型案件と言えば、2006年のソフトバンクによるボーダーフォン日本法人の買収がありますね。
この時の金額は1兆7500億円ですから、ほぼ同程度です。
いずれにせよ、これほどの規模のM&Aが日本経済に与える影響はとても大きいですね。
ちなみに、今回のやり方は合併ではなく、ビーム社の株式を100%取得することで完全子会社化する方法です。
ビーム社の法人格はそのまま残し、サントリーグループの子会社になるわけです。
サントリー自体は非上場です。
いっぽう、ビームはニューヨーク証券取引所に上場しています。
この発表を受けて、ビーム社の株価が、前日の66.97ドルから、今日はいっきに83.44ドルまで急上昇しました。
サントリーの発表では、買収価格が過去3ヵ月の平均株価を24%上回る83.5ドルとわかったことが、この株価の急上昇につながっています。
マーケットも、ちゃっかりしているなあ、という感じですね。
なお、ご参考までに2013年9月末時点のビーム社のバランスシートを見ると、総資産が85億1000万ドル、負債が36億3460万ドル、資本が48億7540万ドルです。
サントリーがつまり、100%親会社となる場合、現状のバランスシートにおける帳簿上の持分がだいたい48億ドルということですから、この額と現在の資本の時価がほぼ同じならば、本来、買収額も48億ドル程度でいいはずですね。
しかし、今回の発表では、160億ドルもの額を支払ってビーム社の支配権を買うのです。
差額の110億ドル以上は、一体何に対する支払なのでしょうか。
その一部は、ビーム社が持つ簿外(バランスシートに表れていない)の資産の含み益などもあるでしょう。
しかし、それを除けば、大部分はその会社が持つ将来性や見えない価値、あるいはサントリーとビームが同じ組織として動くことで期待できる相乗効果(シナジー)がそれこそ何10億ドルと存在する、ということですね。
このような見えない価値を「のれん」といいます。
だから、ビーム社を買収した後は、サントリーの連結決算におけるバランスシート上では、2013年9月末の状況を前提に想像するなら、次のような積み上げがあることでしょう。
ビーム社の結合による増加(万ドル)
資産 851,000 負債 363,460
のれん (差額) 投資額 1,600,000 ←買収資金の支払い
:
※時価差額などの調整がなければ、単純に1,112,460万ドル(112億ドル強)ののれんが出る可能性もある、ということになる。
1,600,000?(851,000?363,460)=1,112,460万ドル…超過支払分
サントリーの連結決算上、今後は巨額ののれんが出る可能性もある、ということをイメージしておくといいかもしれませんね。

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