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ソフトバンクがレポ取引で1000億円を調達か

ソフトバンクが、所有するヤフー株を貸し出し、2014年3月期中に1000億円の資金を調達しようとしている、とのことです。
(なお、2013年3月末の情報では、ソフトバンクはヤフーの株を35.86%所有しています。関連会社ということですね。)
具体的には、
(1)三井住友銀行が特別目的会社(SPC)を作る、
(2)ソフトバンクが特別目的会社(SPC)にヤフー株を貸す、
(3)特別目的会社(SPC)がソフトバンクに現金を差し入れる、
(4)ソフトバンクは特別目的会社(SPC)から品貸料を受取る、
(5)ソフトバンクは特別目的会社(SPC)に利息を支払う。
以上の流れになると思われます。
ソフトバンクにとっては、手持ちの有価証券を担保として預け、実質的に資金を借り入れる、という状況になります。
ヤフー株の議決権はソフトバンクにあり、転貸もできない条件です。
これは、ヤフー株が好調で信用力が高いから、ということができます。
これも一種の資産流動化と考えられます。
会社全体の信用力よりも、特定の「価値が高い資産」のみを切り取って資金調達の目玉(担保、売却対象)とするやり方です。
会社全体の信用力から切放して、その資産独自の価値で、融資や売却代金の供与額を決められますので、その資産が良いものなら、それだけ資金調達が有利になりますよ。
ここで「レポ取引」の意味ですが、かんたんにいうと、現金を担保に有価証券を貸し借りする取引のことです。
もう少し砕けた言い方をすると、現金を担保金として預かり、相手に有価証券を貸す行為です。
※三井住友銀行からSPCはローンを受け、金利を支払います。
なお、レポ取引は債券で行うことが多いです。
一般的に考えられる会計処理の例としては、たとえば有価証券を相手に品貸して現金100を受取った場合、次のような仕訳が考えられます。
(借方) 現 金 100 (貸方) 預り金など
(負債) 100
有価証券の貸付に関しては、仕訳はしません。
貸し付ける直前の有価証券の保有目的区分に従った評価及び会計処理を継続します。(売却・譲渡等をしているならば、有価証券は減少します)
その後、品貸料3を受け取り、担保金の利息5を支払ったとした場合の仕訳例です。
(借方) 現 金 3 (貸方) 品貸料
(収益科目) 3
(借方) 支払利息
(費用科目) 5 (貸方) 現 金
5
この結果、資金調達コストは支払利息5?品貸料3=2ですね。
この資金調達コストは、レポレートとも呼ばれます。
ソフトバンクは、今後も連結子会社のガンホー・オンライン・エンターティメントなど、ほかのグループ会社の株式なども活用する可能性があるといえそうです。
このような形で調達した資金は、運転資金に充てると報じられていますが、M&Aなどの拡大路線を今後も取るならば、資金需要はいぜんとして旺盛だと思いますので、今後もソフトバンクの資本戦略からは目が離せませんね。

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