■火曜版メルマガの特集・補足資料ページ 2006.7.25配信号
今回は、医薬品業界ナンバーワン企業、武田薬品工業のEBITDA倍率
の計算過程です。
| 項目 | 2006年3月期データ |
| 1.売上高 | 1,212,207百万円 |
| 2.営業利益(P/L) | 402,809百万円 |
| 3.減価償却費(C/F計算書) | 28,728百万円 |
| 4.EBITDA(営業利益+減価償却費) | 431,537百万円 |
| 5.現金預金 | 450,709百万円 |
| 6.有価証券 | 1,405,811百万円 |
| 7.負債 | 488,227百万円 |
| 8.純負債(7.−6.−5.) ・・・(-)は実質無借金で資金余剰 | -1,368,293百万円 |
| 9.株価(2006.3.31) | 6,710円 |
| 10.発行株式数 | 885.2百万株 |
| 11.株式時価総額 | 5,939,692百万円 |
| 12.簡易計算のEV(事業価値):純負債+株式時価総額 | 4,571,399百万円 |
| 13.EBITDA倍率(12.EV(事業価値÷4.EBITDA) | 約10.59倍 |
したがって、武田薬品の株式をすべて買い取るために実質必要な資金は、
株価総額5兆9396億円−1兆3682億円=4兆5713億円となります。
まあ、いずれにせよ、天文学的な金額で、庶民にはなじみが薄いですが…(笑)。
上記より、武田薬品工業の場合、買収資金を
簡易営業キャッシュフローで回収するには、ちょうど10年くらいの期間がかかる、という
ことですね。
このEBITDA倍率は、同じ業種だと、似た数字になりやすいという傾向が知られている
ことから、各社のEBITDAを算定すれば、それに業界平均のEBITDA倍率をかける
ことで、簡便的に株価を推定することができます。
したがいまして、企業価値を推測する際に、このEBITDA倍率を用いることが、
ときどきあります。
とくに、未公開株の評価の場合などは、使い勝手がいいですね。
さいきんでは、王子製紙による北越製紙の敵対的買収戦略のケースでも
みられるように、企業を買う、という発想が浸透してきています。
とくに、大手企業にとって魅力的ともいえる、有力な中小規模の高収益性企業は、
自身が買収の対象にならないよう、株価対策も含めて、注意が必要です。
敵対的M&A対策もかねて、EBITDAを高めるという経営目標を
掲げる経営者も増えてくるかもしれません。
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